松本智治(まつもと・ともはる)不動産鑑定評価システム代表、不動産鑑定士。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、不動産鑑定事務所、不動産仲介業、戸建て分譲デベロッパーを経て独立、投資用不動産調査や事業用不動産コンサル業務などを行う。住宅仲介会社では契約取引業務、戸建て分譲デベロッパーでは用地の仕入れから販売まで1000戸以上に関わる。不動産鑑定評価関連では、外資系金融機関(ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行等)からの不動産デゥーデリジェンス(詳細調査業務)なども含めて幅広く関わり、これまでの不動産価格に関する鑑定及び査定実績は大小含め1000件以上。オフィスや店舗賃料に関する「適正賃料マーケット・レポート」の作成にも携わり800件以上の査定実績を有する。仲介から戸建て建築、宅地造成、ビル建築再開発、賃貸不動産経営、そしてエリア調査まで、不動産に関わる現場を広く経験しているのが強み。一般の住宅購入検討者に対し、購入すべきか賃貸とするか、購入するときの物件選別ポイントなどの住まい購入に関する相談などを受け、偏らないアドバイスが好評を得ている
松本智治(まつもと・ともはる)
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不動産鑑定評価システム代表、不動産鑑定士。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、不動産鑑定事務所、不動産仲介業、戸建て分譲デベロッパーを経て独立、投資用不動産調査や事業用不動産コンサル業務などを行う。

住宅仲介会社では契約取引業務、戸建て分譲デベロッパーでは用地の仕入れから販売まで1000戸以上に関わる。不動産鑑定評価関連では、外資系金融機関(ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行等)からの不動産デゥーデリジェンス(詳細調査業務)なども含めて幅広く関わり、これまでの不動産価格に関する鑑定及び査定実績は大小含め1000件以上。オフィスや店舗賃料に関する「適正賃料マーケット・レポート」の作成にも携わり800件以上の査定実績を有する。仲介から戸建て建築、宅地造成、ビル建築再開発、賃貸不動産経営、そしてエリア調査まで、不動産に関わる現場を広く経験しているのが強み。

一般の住宅購入検討者に対し、購入すべきか賃貸とするか、購入するときの物件選別ポイントなどの住まい購入に関する相談などを受け、偏らないアドバイスが好評を得ている

 今から、家を買うには将来、損しないかどうかまで、計算してから買ったほうが安心です。その計算が簡単にできるツールが付録でついている『家を買って得する人、損する人』が発売されました。
ほかにも住宅購入の損しないポイント、築年数ごとのねらい目物件の選び方、将来破産しないための資金計画、住宅ローンの選び方ノウハウ、損しない物件を紹介してもらうための不動産業者との付き合い方まで……家を買うときに、役立つ情報が満載。この連載では、本から一部を抜粋、再構成してご紹介します。

●住宅の価値を落とさないために 一番重視したいのは「利便性」

 現在、日本は世界でもトップクラスの少子高齢化の国だと前述しました。実は、人口減少と不動産の価値には一定の相関性があります。人口が減少している地域は、地価水準も同様に下落する傾向にあるのです。

 本格的な人口減少時代に突入しつつある日本社会において、今後、住宅の価値は「利便性に優れる立地条件」が最も優先されることは間違いありません。街の中心から遠く離れたところでは住宅の価値は低減します。また将来的には、「高齢者」といえる年齢になっても一定期間働き続ける必要が生じ、働き続けるためにもやはり利便性が大切です。

 これまでは、なるべく価格が安く、かつ、間取りが広い住宅を求めて、郊外へ郊外へと探す範囲を広げ、利便性をある程度犠牲にすることはやむを得ないものとして住宅の購入を決めていたと思います。

 このように言う私自身も、不動産会社で住宅の販売に従事し始めた20年前の頃には、住宅を購入するお客様に対して、こう進言したものです。 「この住宅は、お子さんの部屋を確保するための間取りの広さや、緑も多い周辺環境ですので、とてもお勧めできます。ただ、駅から遠くなることだけが欠点です。100%満足を感じていただける住宅ではありませんが、この点だけご辛抱願えないでしょうか」

 住宅がどんどん値上がりしていた頃は、住宅ローン金利も今の何倍もの利率でしたから、金利が高い分、月々の支払額やローンの総支払額も高額となりました。 そのような状況で、マイホームの夢をかなえるためには、利便性という大事な要素を犠牲にしてもらうしかなかったのです。 しかし、今後においては、利便性に優れる立地条件がますます重要なものとなります。利便性という条件を犠牲にすると「住宅の資産性」を大いに損なうからです。

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