アエラが11月22~26日に実施したアエラネット会員へのアンケートには男女85人が回答。8割以上が解散した首相の説明に「納得できない」と答えたが、選挙に「行かない」と答えたのはわずか2人だった (c)朝日新聞社 @@写禁
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アエラが11月22~26日に実施したアエラネット会員へのアンケートには男女85人が回答。8割以上が解散した首相の説明に「納得できない」と答えたが、選挙に「行かない」と答えたのはわずか2人だった (c)朝日新聞社 @@写禁
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  12月に行われる総選挙に、多くの有権者が戸惑っているようだ。朝日新聞の調査でもこの時期に解散・総選挙を行うことに62%が「反対」。「賛成」は18%にとどまった。

 この選挙には「NO」を言いたい。でも、その思いをどこにぶつければいいのか――。これまでまじめに投票してきた人ほど、悩んでいるように見えた。逆に、動き始めているのは、これまで選挙には無関心だと思われてきた若者たちだ。

 例えば、名古屋市の建設会社で働く女性1級建築士(28)。

「国会と建設業界には共通点がある。どちらもおじさんたちが作り上げた社会ということです」

 5年ほど前、社内で初めて産休を取得した総合職の先輩が、「早く帰るなら一般職に行け」と言われて職種転換した。なぜ?と怒りがあふれた。女性従業員が定期的に話し合える場を設け、要望をまとめて人事部や社長に訴えた。総合職でも時短勤務を利用できるようになったのが“戦果”の一つ。ただ、ふと会社の外に目を向けると、こんな思いが浮かんだ。

「企業だけでなく、まず国が変わらないと」

 そうなると自分で変えたほうが早い。今回は急すぎるが、次の衆院選では立候補する決意を固めている。

「今回の衆院選に、やってられないという思いはある。ただ、選択肢を広げるためにも、国政に多様性が必要。政治家がおじさんばかりじゃ、世の中、何も変わらないと思うんです」

「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)」は、12月9日と10日、この法律の施行に合わせて首相官邸前で抗議行動を行う。メンバーの一人、明治学院大学の奥田愛基(あき)さん(22)は言う。

「施行が決まっているのに抗議しても意味ないって言われるかもしれない。けれど、もう少し長いスパンで見れば、大きく政治が変わるプロセスの一部になるかもしれない。物事を変えるためには、タフさが必要じゃないですか」

 その目に、今回の衆院選はこう映る。

「安倍さんを支持しない人は『勝てる見込みがない』って言うけど、そうじゃない。選挙の結果は必ず次の選挙につながる。議席の数が変われば、与党の対応も必ず変わる」

AERA  2014年12月8日号より抜粋