――先ほど安倍総理への言葉というのがありましたが、安倍昭恵夫人に言いたいことはありますでしょうか。
泰典被告:本当のことを知りたいということを伝えていただいたらええんじゃないかなと思います。
――拘置所の中で、外の情報は把握していなかったということですが、これは情報を手に入れることができなかったのか、あえて、耳をふさいでいたのかどちらでしょうか。
泰典被告:ラジオは聞いていました。ラジオはね。新聞も時々入ってくるもの、差し入れのものは見ていました。でも、時間は、タイムラグはあります。
――それでも外の状況は把握できなかったということでしょうか。
泰典被告:私の頭の中で正確に物事が判断できて、きちっと説明できることになりましたら、対応させていただく。
――安倍首相と昭恵夫人から受け取ったという100万円は、今後お返しに行かれるのでしょうか。
泰典被告:返しに行かせていただいて、受け取ってもいただいておりませんので、それはそのままにさせていただこうと思っています。
――受け取られたというご主張は取り下げることはない?
泰典被告:それはもちろんですよ。いただいたもんですからね。
――籠池さんが収監されてから10カ月。問題が発覚してから、1年3、4カ月経っています。いまだに国会もそうですが、問題の真相がわからないということで、ずっと報道なども続いているわけですけども、籠池さんにとってこの状況はどのように思われるのでしょうか。あと、国民もこの問題がどうなっているのかわからない、真相がさっぱりわからないと思っている人もいると思うんですけども、国民に向かってのメッセージはありますか。
泰典被告:まず、佐川さんが嘘をついてきたということは大きいことでしょうね。佐川、理財局長ですか。あの方が国会でうその証言をしてきた。そこらへんから歯車がおかしくなっているのだと思います。ですから、本体であるところまで突き進むことができていない。だから、他の役所、防衛省のことにしても、厚生労働省のことにしても、ああいうような問題が出てくるのだと思います。ですから、官僚の人たちのやりたいようになってしまっている。嘘をついたら、それでええんだということになっていることに、国民が「そんなもんなんか」と。政府、国というのは「そんなもんなんか」と思ってしまったら、この日本の国は滅亡してしまいます。
ですから、ここでシャキッと本当のことで、グッとしていだかないかんのじゃないかなと思います。国民の方々はもう少ししっかりと認識して、もう終わっちゃった、もういいんじゃないの、というような何か大きな漫画を読んでいるようものと思っているようであれば、それはもう一度考え直して、原点からもう一度読み返すことが必要やと思います。
――それに関連するんですけど、8億あまり値引きされて、売却交渉が進んだことについては、この取引については、籠池さんはどう思っているのでしょうか。
泰典被告:私が印鑑を押したもんじゃありませんからね。国のほうで、これで結構であると、印鑑を押されたものでありますから、それはお国の方に聞いていただかなあかんじゃないのですか。
代理人:時間を過ぎておりますので、これにて終了とさせていただきたいと思います。(本誌・吉崎洋夫/AERA dot. 編集部・福井しほ)