短期の海外留学に挑戦する小学生が増えています。

 少し前から定着しつつある「親子留学」に加え、ここ最近じわじわと増えてきているのが、小学生が単身で渡航し、現地の学校の寮に滞在したり、ホームステイしたりしながら、学生生活やアクティビティーを体験する「子ども留学」と言われるものです。AERA with Kids春号では、親子留学や子ども留学に実績のある留学エージェントに取材。最近の傾向や、親の注意点などを聞きました。

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 親子留学や子ども留学など、小学生の留学が増えている理由として、ジュニア留学に実績のあるウインテック留学センターの留学カウンセラー・位田麻美さんは、こう話します。

「国際化や英語の教科化などへの関心から、海外での楽しい経験をきっかけに、英語や外国に興味を持ってくれたら……と考える親御さんが増えているようです。その中には、中学生や高校生になってからの正規留学への足掛かりにしたいと考えているご家庭も少なくないようですよ」

 親子留学で定評のある留学コンサルタントの万浪るりさんも、「2、3週間の滞在で、ドラマチックに英語力が伸びることはありませんが、『英語をもっと話せるようになりたい』と感じて、帰国後に英語の勉強に意欲を見せるお子さんが多いようです」と言います。

 特におすすめの時期は、世界中の子どもたちが長期休みに入る夏だそうです。

「夏は欧米の語学学校などが世界中の子どもたちを対象に開催するサマーキャンプが多く、プログラムも充実しています。語学学校のサマーキャンプは、きちんと研修を受けた現地の大学生などがリーダーとしてケアしてくれるところが多いので、安全面でもおすすめです」と位田さん。

 ただし、日本の小学校の夏休みはヨーロッパよりも始まるのが遅いため、8月になってからだと日本人だらけ……、ということもあるそう。

「さまざまな国の子どもとの交流を希望されるのであれば、夏休み中でも早めの時期がおすすめですよ」(位田さん)

 留学中は慣れない海外での生活に親の心配も尽きませんが、親がフォローの仕方を間違えると、せっかくの留学体験が無駄になってしまう可能性もあるといいます。

「親子留学の場合は、親御さんはついいつものように先頭に立って行動してしまいがち。でも、せっかくの機会です。例えば『ママは空港のことはわからないから、バス乗り場まで連れて行ってね』とお子さんに案内係を頼んだり、スーパーマーケットでの支払いをする係をお願いしたりと、自分で考えて行動する機会にするのもいいですね」と万浪さん。

 位田さんも「お子さま単独での留学中は何かと心配ですが、かといって親御さんから連絡を入れてしまったら、せっかく一人で頑張ろうとしている本人の挑戦を邪魔することにもなりかねません。何かあればきちんと連絡が入りますので、安心してエージェントに任せてください」。

 手や口を出すのではなく、そっと見守ることこそ、親の最大のサポートと言えそうです。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 春号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子,tomekko

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AERA dot.編集部
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