義仲はあまりに強かったために、同じ源氏の源頼朝に恐れられた。そして、頼朝の弟で戦の天才・源義経に討伐されてしまう。巴はこのとき最後まで義仲のそばで戦い続け、ともに討ち死にしようと考えていた。しかし、義仲に何度も説得されて、ついに鎧兜を脱ぎ捨てて落ちのびたという。その後は二度と戦場に出ることなく、静かに暮らしたと伝わる。

※一騎当千=1人で大勢の敵を相手にできるほど強いという意味。

【巴御前データ】
平安時代末の武将
生没年不詳
出身:長野県

信濃国(長野県)の豪族・中原兼遠の娘という。武勇に優れ、木曽義仲の平氏討伐に同行して活躍したとされるが、信頼できる史料には名前が出てこないため、本当の姿は不明。

●日本史の中の女性武将

 井伊直虎や巴御前が活躍した平安時代末~戦国時代には、人数は少ないが、武将として名を残した女性が知られている。

 巴御前と同じ時期には、板額御前という女傑がいたというし、戦国時代には、甲斐姫や小松姫といった女性が、戦場で男性顔負けの活躍をしたとされている。

 こうした女性武将の中で、知名度ナンバー1なのが巴御前だ。一方の直虎は、むしろ、日本史の中ではあまり名を知られていない存在だった。

注)現在のような都道府県の呼び方は、近現代以降に始まった。なお、最近、井伊直虎が男性だったという説が発表された。ただし、女性説を主張する人も多いので、今後の研究が待たれている。

<今回の対決は…>
先を見る力は直虎! 武力は巴御前! の勝ち!

※月刊ジュニアエラ 2017年2月号より

ジュニアエラ 2017年 02 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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