最高時速は260キロメートル。でも、青函トンネルを含む約82キロメートル区間は、新幹線として初めて貨物列車と同じレールを走り、すれ違う貨物の荷崩れを防ぐため、最高時速を特急並みの140キロメートルに落とす。東北新幹線と直通運転するは、東京~新函館北斗間は最短でも4時間2分かかる。ただ、新函館北斗と新青森とは最短1時間1分、仙台とは約2時間半で結ばれる。東北との距離がグッと縮まるため、北海道では東北からの観光客が増えるとの期待が高まる。
北海道の食べ物や自然にひかれ、外国人観光客は増え続けている。新幹線の「玄関口」となる函館市は代表的な観光地で、開業直後の16年度は、過去最高だった98年度の539万人に迫る530万人を見込んでいる。
でも、北海道新幹線の開業に伴い、上野~札幌を走る寝台特急「カシオペア」は廃止され、新幹線と並行して走る在来線は地元自治体などが経営を引き継ぐ。人口の少ない広い土地に路線網が広がる北海道ではJRの経営が苦しく、開業と同時に赤字路線を廃止したり列車の運転本数を減らしたりする動きが強まる。
(解説・若松聡/朝日新聞北海道報道センター)
※月刊ジュニアエラ 2016年4月号より
ジュニアエラ 2016年 04 月号 [雑誌]
著者 開く閉じる