話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、一つのスポーツを取り上げて、やっても見ても楽しくなるうんちく(深~い知識)を紹介。7月号は、ボッチャを取り上げたよ。

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【競技の内容】
 的となる白いボール(目標球)に自分のボールをどれだけ多く近づけられるかを競う。1984年からパラリンピックの正式種目となる。障害の程度や種類によって4クラス(BC1~4)に分けられ、各クラスの個人戦、3人制のチーム戦(BC1クラスの選手とBC2クラスの選手が一つのチームを組む)、2人制のペア戦(BC3クラス、BC4クラスそれぞれで実施)が行われる。

【ボッチャのうんちく4連発!】

(1)障害者のために生まれたスポーツ
 ボッチャは、重度の脳性まひや四肢に障害がある人のためにヨーロッパで考案された。パラリンピックの正式種目で、五輪では実施されていないが、障害のあるなしに関係なく、老若男女すべての人が一緒に競い合えるスポーツとしても広まっている。「だれでも楽しめる」という障害者スポーツの理念を体現する競技だ。

(2)技術と戦略でボールを的に近づけろ!
 2人が赤と青のボールを6球ずつ投げ、ジャックボールと呼ばれる的の白いボールにどちらがより近づけられるかを競う。的のボールの近くに投げるだけでなく、相手や自分のボール、的のボールに当てて位置を変えることも大切だ。正確な技術も、巧みな戦略も求められる。

(3)広瀬隆喜選手の得意技「ロビングボール」
 日本のエース・広瀬隆喜選手の得意技は「ロビングボール」。ボールを転がすのではなく、空中から直接、ジャックボールに当てて動かす。技術的にとても難しいけれど、一発逆転も可能な大技だ。

(4)滑り台みたいな道具も使う!
 ボールの投げ方は自由で、上から投げても下から投げてもいい。障害の程度や種類によって、足でボールを蹴ってもいいクラスや、「ランプ」と呼ばれる滑り台のような勾配具を使うクラスもある。高さを調節してスピードを速くしたり、遠い距離を狙ったりできる。手でボールを押し出せない選手は、「リリーサー」と呼ばれる補助具を頭や口に装着して投球を行う。アシスタントが投球をサポートするクラスもあるが、選手への助言や合図は禁じられている。

【東京パラで輝け! 広瀬隆喜 選手】
1984年、千葉県生まれ。先天性の脳性まひ(ボッチャのクラスはBC2)。現在は西尾レントオール所属。高校3年のときにボッチャを始める。日本選手権で優勝8回。パラリンピックは2008年北京大会から出場し、16年リオデジャネイロ大会ではチーム戦で銀メダルを獲得した。

【リオ大会で日本が銀メダル!】
2016年のパラリンピック・リオ大会(ブラジル)のチーム戦で、広瀬選手らの日本代表が、日本ボッチャ界初のメダル(銀)を獲得。もともと日本の強みであるチームワークと戦略に加え、技術や筋力も磨いた成果だ。

※月刊ジュニアエラ 2020年7月号より

ジュニアエラ 2020年 07 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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