■アイドルと勉強の両立、プレッシャーは大きかった

 ジャニーズ事務所に入所したのは中学3年生の4月。入所して半年ほどで「東京B少年」(現・美 少年)に加入した。グループに所属すると、仕事は一気に忙しくなった。

 舞台にコンサートにテレビ収録に雑誌撮影……仕事とテストの日程がかぶることは日常茶飯事だった。

 当時のことを振り返り、「とにかく大変でした」と話す。勉強とアイドル、どちらも頑張らなくてはいけないというプレッシャーが肩にのしかかっていた。そんなとき、那須さんに言葉をくれたのが憧れの櫻井翔さんだった。

「高校1年生の夏、はじめてふたりで食事に行ったときのことです。櫻井くんに、“アイドルだけが道じゃない”ということを言われました」

 櫻井さんは、こう続けたという。

「本気でアイドルを続ける気があるなら続けてほしい。だけど、将来一般企業に就職するという選択肢があることも忘れないで。慶應には中学受験をして入学しているんだし、行きたい学校へ行かせてくれた親御さんにはしっかり感謝しないといけない。学校にきちんと通うことは大きな糧になるはずだよ」

 那須さんはこの言葉で気持ちにゆとりが生まれた。

「目の前のことにしがみつくだけじゃなく、広い視野で物事を見ること。すごく勉強になったし、尊敬する先輩にこんな言葉をいただけて感動しました。自分もがんばろう、ってエンジンがかかりましたね」

 そうはいっても、芸能活動と勉強の両立は簡単なことではない。那須さんは、仕事以外の時間は「勉強しかしない」と決めていたそうだ。

「舞台やコンサートが続くと、家で机に向かって勉強する時間はありません。帰ったらご飯を食べてお風呂に入って寝るだけ。だから、通学や通勤時間をすべて勉強にあてていました。スマホも見なかったし、だらだらすることもしませんでした。いかに無駄な時間をなくせるかをテーマにしていました。内部進学とはいえ、希望通りの学部に入れるとは限りません。やるしかない、って言い聞かせて狂ったように勉強していました(笑)」

※AERAムック『就職力で選ぶ大学2021』より。誌面では、時間を最大限に活用する那須さん流の勉強法や将来の夢についても紹介しているほか、直筆メッセージ、多数の美麗写真も掲載。

#プロフィール
なす・ゆうと/ 2002 年1月16 日生まれ。ジャニーズJr.「美 少年」のメンバー。慶應義塾大学経済学部1 年生。俳優としても活躍し、2020 年3 月にWOWOW ドラマ「パレートの誤算~ケースワーカー殺人事件」、7月~9月にテレビ朝日系ドラマ「真夏の少年~19452020」に出演。「池上彰のニュース そうだったのか!!」「林修の今でしょ!講座」「クイズプレゼンバラエティーQ さま!!」など、バラエティー番組への出演も多数。

就職力で選ぶ大学 2021【表紙: 那須雄登 (美 少年) 】 (AERAムック)

アエラムック編集部

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濱田ももこ
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