相談者さんは、自分を卑下するのでなく、父親として己を磨くことに専念しましょう。それは、会えない時間も妻と息子さんを心の底から愛し、向き合うことです。
愛は、時間も空間も飛び越えて伝わります。その証拠に、2500年前に交わされた孔子と弟子たちの会話であり、他者への思いやりを最高の徳と説く『論語』が、時空を超えて、今なお、我々の人生で大切なことを教えてくれているではありませんか。
【まとめ】
尊敬されるかどうかを考えるのはよそう。妻と息子を大切にし、父親として己を磨き続けよう
山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ 0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。
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