中学入試でこのところ人気が続いている、大学付属校。志願者数増加に伴って難関化し、敬遠されていた難関大学付属校の志願者も再び増加しています。受験生や保護者は、付属校のどんなところに魅力を感じているのでしょうか。また、「御三家」と呼ばれるような最難関校の今年の志願者動向はどうなるのでしょうか。
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首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さんは、首都圏の中学受験で近年、大学付属校が人気の理由を、次のように分析する。
「大学の定員の厳格化や、入試改革の先行きが見えないこともひとつの要因ですが、必ずしもそれだけではありません。付属校はICTや英語教育が進んでいたり、高大連携で、大学の教員が来校してアカデミックな授業を行っていたりするところも少なくない。教育の中身で選んでいる受験生も多いです」
ここ数年続いている付属校人気は、2022年入試でも継続しそうだ。早慶、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の付属校は難度が上がり、倍率も高止まりしている。
「難関大の付属校は、志願者の増加と減少が1年おきに交互に起こる『隔年現象』を繰り返すので、昨年志願者が減った学校では、今年の志願者は増える可能性があります」(森上教育研究所代表の森上展安さん)
難関校受験に強いサピックスの11月模試の結果では、慶應義塾中等部(東京都港区)や慶應義塾普通部(神奈川県横浜市)、早稲田(東京都新宿区)などがじわりと志願者を増やしている。
幅広い学部が揃う日本大学、東海大学、東洋大学の付属・系列校も人気だ。
「最近は『受験するからには難関大の付属でなければ』と考える保護者が減り、進路を子どもに任せるようになった。その影響も大きいと思います」(北さん)
獨協(東京都文京区)は22年度から獨協埼玉(埼玉県越谷市)と合わせて獨協医科大学医学部への推薦枠が10人設置され、医学部進学を目指す受験生からの人気がさらに高まりそうだ。
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