灘は関西圏の受験者は減ったものの、首都圏からの受験者は127人から143人と増えている。

 首都圏と同様、関西でも受験日程の前半に受験生が集中し、解禁日に当たる1月15日と翌16日の2日間で受験生全体の73.1%が入試を受けた。森永さんは次のように話す。

「人気校の多くが初日と2日目の午後に入試を行っています。受験生はこの機会を積極的に生かし、2日間で3回から4回受験しています」

 ここ7~8年右肩上がりに志願者が増えていた大学付属校は、ほぼ前年並みと頭打ちになった。付属校も安全志向が働き、関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)が減って産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)の付属校で志願者が増えている。注目は同志社香里(大阪府寝屋川市)だ。昨年の1405人に対し今年1472人と志願者を伸ばした。

「人気の理由に、同志社系列の付属校で唯一大阪府にあり、阪神間から通いやすい立地であることが挙げられます。素晴らしい教育環境のもと、充実のグローバル教育と盛んなクラブ活動でさらに人気が高まっています」(森永さん)

 そのほかに関西大学中等部(大阪府高槻市)が330人から370人、京都産業大学附属(京都市)が395人から484人、甲南(兵庫県芦屋市)が812人から871人と伸ばしている。

「これらの学校は内部進学のほかに、他大学への進学にも力を入れています。それが保護者や受験生から好感を呼びました」(森永さん)

■増える1教科型入試

 プレゼン型などの新タイプ入試は減少したが、得意科目を選択する1教科型入試を導入する学校が増えているという。金蘭千里(大阪府吹田市)の中期入試(初日午後)は国語と算数の2教科入試だったが、ここに国語1教科型と算数1教科型の入試が加わった。この入試が牽引し、全体の志願者が831人から1049人に増えた。

「算数1教科型を導入する学校はじわじわ増えており、今年の金蘭千里の結果を見て、得意科目1科選択型の入試を行う学校が増えてくるかもしれません」(森永さん)

 昨年大勢の志願者を集めた須磨学園(神戸市)はその反動で、1494人から1172人と減少した。しかしチャレンジ層が抜けただけで、難易度に変わりはないという。同じく昨年ブレークした、須磨学園系列の夙川(神戸市)は、昨年の1123人には及ばなかったものの、950人の志願者を集めた。

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