■「パワーポーズ」で絶叫するとやる気が湧いてくる

「時間になってもなかなか勉強をする気が起きない」。そんなときに簡単にできてオススメしたいのが、「パワーポーズ」をとることです。方法はいたってシンプル。仁王立ちをして両手でガッツポーズをします。「これから勉強するぞ~!うぉ~!」と大声で叫ぶだけ。声が大きければ大きいほど効果を感じられます。絶叫によってテンションが上がり、モチベーションもアップ。なぜでしょうか。大声で叫ぶことでアドレナリンが分泌され、脳が覚醒するからです。

 パワーポーズをとると、男性ホルモンのテストステロンが20 %増加し、ストレスホルモンが25%低下、やる気がアップするという研究報告があります。テストステロンは筋肉や骨の強化だけでなく、やる気の向上、自信、積極性、向上心にも関係します。緊張やストレスに強くなるパワーポーズ、ぜひやってみてください。

<親の行動point>
大声を出すと近所迷惑になる、大声を出すのを子どもが恥ずかしがるようなら、パワーポーズを1分間とるだけでもOK。やる気が湧いてくる。

■起きてから2~3時間後が最も集中して勉強できる

 時間はたっぷりあるはずの休日。なのに集中力が続かず、あまり勉強がはかどらない。眠くなる。脳のパフォーマンスや仕組みを知り、勉強の質を上げると、短時間でも効果的な勉強ができます。脳科学の視点から理想的なスケジュールを考えてみましょう。

 集中力がもっとも高いのは朝です。起きてから2~3時間後は「脳のゴールデンタイム」と言われます。この時間帯に勉強をすれば、集中力や記憶力、学習機能、モチベーションが高い状態で取り組めるので、質の高い勉強になります。難しい内容の勉強はこの時間帯にもってくるのがオススメです。その後、午後から夜にかけて脳のパフォーマンスは下がっていきますが、夕方に軽い運動を挟むことで、運動後、再び集中力が復活します。午後に勉強するならこの時間に。寝る15分前に暗記をすると記憶に定着しやすくなります。

<親の行動point>
勉強に最適なのは午前中と夕方の2回。夕方の場合は運動直後1~2時間、食前がオススメ。食後は消化に血流がとられるため、避けて。

■学習は15分単位で小刻みにすると集中できる

「宿題終わったらゲームやっていいよ」だとダラダラしがち。制限時間を決めることが大事です。とはいえ、「1時間で全部終わらせよう」では長すぎて集中力が続きません。小学生なら15分単位に小分け×3セットを目安に。目標設定をするとドーパミンが出るので、パフォーマンスが2倍に! ただし、「やらされ感」があるとストレスホルモンが出て逆効果なので、注意しましょう。

<親の行動point>
「算数と国語、どっちやる?」「15分で何ページできそう?」などと子どもに決めさせて。

樺沢紫苑先生/精神科医。作家。1965年、札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年、米国シカゴのイリノイ大学に留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通じてメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンに掲げ、YouTubeなどで発信。『学びを結果に変えるアウトプット大全』ほか著書多数。

※AERA with Kids2022春号より転載

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AERA with Kids編集部
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