ところが、芸能界は「即実践」。教わるのではなく、自分が先輩やまわりの人を見てどう思うか、どう表現するか「自分で学べ」というスタンス。お手本があるようでないところが、自分が子育てをするようになって「共通しているかも……」と感じました。
子育てって、家庭が10あったら10通りの子育て法があると思うんです。育児書などを読んでも、その通りに「いくわけがない」ですよね。でも、正解はわからなくても「子どもに恥ずかしくない人でありたい」という気持ちは持っています。考えてみると、これはリーダーを務めていたころから変わりません。
人前に出る仕事なので、私の発言や行動は私だけでなく家族にも影響が出ます。でも、その「気づかい」は生きていくうえで必要なことだと思うし、責任をもって生きていくことは苦痛ではないのです。
――とても気を遣っているように感じられるのですが、ご自宅ではリラックスされていますか?
もちろんです! 家族に「あー、もう今日はご飯作りたくない」「えっ、手伝ってくれないの? 最悪なんだけど」なんて言っちゃいます(笑)。ずっといいお母さんは演じていられません。休みの日の中澤裕子は、もうグダグダですよ(笑)。

全く知らない福岡に移住。ママたちの集まりに飛び込みました!
――中澤さんは、2014年にご家族で福岡に移住されました。まったくの新天地だったそうですね。
私が移住したときは、子どもたちがまだ保育園や幼稚園に入る前だったんです。ですから、新しい人間関係は築きやすかったかもしれません。
娘が幼稚園に入園したとき、委員こそやりませんでしたが、ママたちの集まりには可能な限り参加しました。私がコミュニケーションの場を作らないと、子どももなじめないだろうと思って……。
そもそも福岡のことを何も知らなかったので、同年代の子どもがいるママたちの中に飛び込んで、等身大の情報を収集したい気持ちもありました。
ここでがんばって本当によかった(笑)。気がついたら素敵なママ友がたくさんできました。ですから、息子のときは困りませんでしたね。
