2020年度から小学校で必修化され、親世代は学んでこなかった「プログラミング教育」。学校ではどこまで教えてくれるのでしょうか。プログラミング教育に詳しい東京都北区教育長の福田晴一さん、同教育委員会の野間俊彦さんに聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2025年春号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU 長い時間をかけて情報スキルを習得 小中校のプログラミング教育内容

長い時間をかけて情報スキルを習得

 プログラミング教育は中学校、高校、専門学校や大学など、長い時間をかけて進んでいきます。そこで予測不可能なことに対応できるようなデジタルスキルをじっくりと身につけていきます。

「いまや情報機器だけでなく、生活全般にデジタル技術が組み込まれていますよね。家電やスーパーの無人レジなど、すべてプログラミングで作られていますし、将来何の仕事についても情報技術を使いこなすことが求められる。この先さらに新しい技術が出てきても臨機応変に活用していく力が大切です」(福田さん)

 現在の課題は「自治体や小学校によって取り組みが違うこと」と話すのは、東京都北区教育委員会学び未来課の野間俊彦さんです。

「学校のプラットフォームや教材はさまざまなので、どうしても活動の違いは出てきます。でも学習指導要領に沿って進むのは同じ。デジタルの学びは多岐にわたるので、効果的に学べるようどこも善処しています。北区では小学校のプログラミング教育と中学校の技術がうまくつながるよう、カリキュラムを丁寧に作っているので、ぜひ参考にしてみてください」

小中校のプログラミング教育内容

 小学校のプログラミング教育から、中学校の「技術」、高校の「情報」、大学入試と、情報技術の教育はつながっています。流れや現在の課題をみてみましょう。

<小学校>
機器の操作など体験的に学ぶ

 総合的な学習のなかで、機器を使わずにプログラミングを考えたり、スクラッチなどで画面越しに絵を動かしたり、ロボットやセンサーでしくみを理解したりするなど、体験的に取り組みながら情報活用について学ぶ。

<中学校>
「技術」教科で経験を広げる

 生活や社会で活用されている情報技術を理解し、問題を見いだしたり課題を解決したりする学びに取り組む。プログラミングツールを使い、具体的に実践しながら活動の経験値を上げる。

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AERA with Kids編集部
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