声かけ・対応 3つのポイント
――では実際にどのように声かけや対応をすればいいのでしょうか。
ここでは大きく分けて3つのポイントをお伝えします。
1)子どもの気持ちに共感する
お子さんが落ち着いたら、なぜ怒ったのかを聞いて理解し、否定せず共感しましょう。「大変だったね」「そんなふうに思っていたんだ」「苦しかったね」と、まず共感の声かけをすることが大切です。
2)一緒に対策を考える
共感の声かけをして子どもの態度が和らいだら、次にそうならないための作戦会議をしてください。「ごはんの前にジュースが飲みたくなったら、ごはんの後なら飲めるって思うようにしようね」とか「怒るんじゃなくて、こんなふうに言葉で言えばいいんじゃない?」と、一緒にルールを作ったり、どうしたらいいか対策を教えたりしましょう。
3)満足する時間を過ごす
かんしゃくが起こったときは、お子さんと親御さんの接触頻度が高かったり距離が近かったりしますが、逆に落ち着いているときはスキンシップや声かけを忘れることもあるので、普段から意識してほめる回数を増やしたり、できていることに注目したりして、子どもが日常の中で満足する状況を声かけでできるだけ作っていきましょう。そうすることで、かんしゃくが起きにくい状況を作れると思います。
これらの対応をしていくことで、1日の中でお子さんがかんしゃくを起こしている時間が2時間、1時間、30分、15分、5分、3分と徐々に短くなっていくと思います。1日におけるかんしゃくの時間の変化を記録に取って、「この子、感情のコントロールが上手になってきているんだ!」と認めながら対応していきましょう。記録することで、客観的にとらえることもできると思います。
それでも今、このやり方ではうまくいかないなあという場合は、専門機関に相談することも必要かもしれません。
(構成/布施奈央子)