4人の子どもを育てながら、『ちはやふる』全50巻を描き上げた末次由紀さん。そのほかにも、ママたちが突然サッカーを始める『MA・MA・Match』というユニークなマンガもあります。登場するママたちの心情がリアルで「泣ける」と評判ですが、これは末次さんの実体験なのでしょうか。末次さんのママライフを聞きました。※前編<「子育てもマンガも震えるほどめんどうくさい。でもそれに負けない!」 『ちはやふる』作者で4児の母・末次由紀に聞く>、※中編<『ちはやふる』作者で4児の母・末次由紀が語る“部活動の魅力” 「家庭以外の場所があるって、とても大切」>から続く

MENU 習い事を「見守るだけ」の時間に何かしたい! 子育て期間は友だちをゲットできる「ボーナスステージ」 末次流、ママ友づくりの最初の一歩は「ちゃんづけ」 子どもたちの「物語」を親が手放すとき

習い事を「見守るだけ」の時間に何かしたい!

――サッカーの練習をするわが子を見守ってきたママたちが、突然サッカーを始める『MA・MA・Match』。痛快でとてもおもしろいのですが、この物語が生まれた背景を教えてください。

 長男と次男がサッカーを習っていて、その練習中、私はずーっと練習を見ながら待っていたんです。家にいればこの1時間で、仕事もできるし家事もできる。でもグラウンドではただ見ているだけ。「私の時間が溶けていく! 砂みたいにサラサラ消えていく~!」って感じました。

 この1時間に子どもたちは成長しているのに、私は時間を溶かしているだけでいいの? もしかしたら、この時間に私もサッカーの練習をしていたら、少しはうまくなったんじゃないの?って考えたんです。

――その「もしかしたら」をマンガに描いたんですね。

 はい。これは子育て中の今の私にしか描けないテーマなんじゃないかって気づきました。

――最初はママをバカにしたり、恥ずかしがっていた子どもたちが、じょじょに応援するようになるのが印象的でした。

 子どもって、親に自分と同じことをしてほしいんです。いっしょにゲームもしたいし、スポーツだっていっしょにしたい。

 でも親は忙しいからゲームしてる暇はないし、スポーツなんて得意でもないから「勝手にやってて!」みたいになっちゃうんですよね。それは私も同じなのでよくわかるんですが、そのせいで親子の距離ができてしまうのかな、と感じます。

――小学校高学年くらいになると「子どもが何を考えているかわからない」というママ・パパが増えますよね。

 いっしょに何かをする場面が減ると、何を考えているかわからなくなるのも当然だと思うんです。その子の近くに行って、その子がしていることを間近で見なくちゃ見えないことは、きっとたくさんあると思います。

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神素子
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