サラリーマン同士の頃は祖父母のサポートを使いにくい環境で、夫は夜討ち朝駆けのフルタイム、私は時短社員で完璧に半々の負担ではなかったし、まだ若く手取りも少ない1.5人分の収入で3人の生活を養うという大変さを抱えていました。

 一方今は、私が在宅のフリーランスなので子どもの行事や病気への対応はしやすくなりましたが、それでも安定した収入を得ようとすれば夜間や休日をフル活用して仕事をするしかない状況。夫のほうはというと相変わらず多忙で、そのうえ海外出張や休日出勤で不在になることもたびたびあり慢性的に睡眠不足。ただしどんなに疲れていても休日には私の仕事時間を確保するため必然的に子どもの対応をしています。お互いに完全な休日というものがない状況です。

 人間どうしてもしんどいときは自分の視点でしか見られないもの。私はいつも自分が調整をする側なので、仕事の締め切りが重なっているときに限って出張や休日出勤が入ったと言われるとカチンと来て私ばかりが大変、夫は自分の思い通りに仕事が進められていいなぁ、と嫌味っぽい考え方になっていました。

 そんな不満をぶちまけた今回、夫にAERA with Kidsの連載を入稿前に読んでもらったところ憮然とした表情で、

「俺にもし絵心があったら、同じ構成で〝夫の心妻知らず〟を描くのになぁ」

 と言われてハッとしました。

 たしかに私の不満は夫からすれば、

「出張や休日出勤しなければならないときに限って、妻の締め切りが重なっている」

 と見えているわけで。出張も休日出勤も遊びの予定じゃないし、私も遊びで絵や文章を書いているわけじゃないので本当にこれ、お互い様ですよね。そしてまた、こうして世の中に発信している私だけの意見に偏るのはアンフェアだわ。

 よし、ここは公平に夫の言い分をしっかり聞いていこうと思います!

 ……と取材を申し込んだところ、あのときの勢いはどこへやら、しょんぼり顔の夫。

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