【この記事を1ページ目から読む 2/3】

 そうはいっても、うちの子は読書が苦手。それなのに本を読めと言われても……。そこから「一体どうやって子どもに本を読ませたらいいのか」という思いを皆さんが抱えていることが見えてきたのです。でも、それについては、先生たちは教えてくれないんですよね。

 世の中には、メディアでよく見かける「○○本ランキング」のように、本を「紹介」する場所はたくさんあります。図書館にも「おすすめ本」のコーナーがありますね。でも、子どもが本を読むようになる、読みたくなる「仕組み」を教えてくれる場はないんだな、ということに気づいたんです。

 僕は中高時代に英語の多読を学びました。大学時代は講師として教えていたので、読書に対する知見も、「こうすれば読むかも」という心当たりもあります。このスキルやメソッドがほかの人のために生かせるなら……。というわけで、中高からの友人3人とヨンデミーを立ち上げました。

本は嫌いじゃないけど、その100倍動画が好き

――たくさんの子どもたちの読書を見守りながら、どんなことを感じますか?

 本に対する気持ちが、今どきの子どもたちと親御さん世代とではまったくの別ものです。もはや、僕ら(24歳)世代が子ども時代に抱いていたものとも異なります。これは、端的に「動画」「ゲーム」の存在だと思います。もう、置かれている環境が全然違いますよね。今の子どもたちはたくさんの「ラクで楽しいもの」に囲まれています。

 ヨンデミーユーザーの皆さんのアンケート回答を見て、驚いたことがあります。僕たちは「本が嫌い、苦手な子どもたちがヨンデミーを利用するんだろうな」と予想していたのですが、実際に入会してくる半数の子どもは「本が好き」。詳しく言うと「本は嫌いじゃないけど、その100倍動画が好き」というタイプです。学校の朝読書の時間は読むけれど、家では読まない。「読み聞かせをしてくれるなら聞くよ。でも、自分で文字を追うのなら動画を見るほうがいい」ということなんですね。

次のページへ子どもは「楽しい!」が正義
1 2 3