もちろん、本を読むのが旅行の「後」もおすすめ。旅行で体験したことや感じたことを本で反芻することで、読書が「思い出」とも深くつながります。

読むだけではない、本の魅力。これなら読書感想文もラクになる

―――「やってみる読書」、楽しそうです!

 先ほど、「本を読んでいないけれども、本にまつわることを考えたりする瞬間も読書」とお話ししました。この場面って、実はとても大切です。なぜなら、これを通して読書体験がより深まり、豊かになるからです。

「やってみる読書」は、日常の中で読書と体験と紐づけ、読書体験をより深めてくれます。体験したことについて、また子どもが考えたり話をしたりと、その読書はより広がり、豊かになりますよね。

 本を読んで「これ、やってみたいな」「できるかな」と思う。そこで、作る、出かける、見る、書く……。本をもとに、いろいろな「やってみる」が広がると思います。でも、家庭で無理なく、楽しんでできる範囲でやってみるのがポイントですよ! 

 ちなみに「めんどくさい」「大変」といったイメージがついてしまっている「読書感想文」ですが、コンクールなどの趣旨は、本を読んだあとにたっぷり考えてより楽しもう!というものなんです。「書く」ことが苦手な子どもなら、本をただ読むだけでなく「やってみる読書」をして体験を深めることで、楽しく書くことができるかもしれません。

 こんなふうに、いろいろな読書の形を楽しめるといいなといつも思っています。

(取材・文/三宅智佳)

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「Yondemy」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る24歳。

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