「この服じゃなきゃイヤだ!」「この道しか通らない!」など、毎回バトルになりがちな子どもの「こだわり」。状況が許せば子どもの言い分を受け入れながら対処できるものの、毎回望み通りというわけにはいかないことも多々あります。お互いに正面からぶつかってしまい「親が感情的になってしまって子どもがさらにかたくなに」ということもあるようです。子どものこだわりを緩めるためにはどのような関わり方をすればよいのでしょうか。発達障害の療育にかかわる公認心理師の竹内弓乃さんに、対処法について教わりました。

MENU 親が強い言葉で説得するほどこじれる (1)こだわりの芽に早く気づいて、少しだけ変化球で返してみる (2)お楽しみを提案して「こだわらなくてよかった経験」を増やす (3)感覚過敏などがあるときはスモールステップで

親が強い言葉で説得するほどこじれる

 こだわりが強すぎると生活への影響が出てしまい、親のストレスや心配も大きくなって語気も荒くなってしまいますよね。次々と現れるこだわりを全部叶えようとすると、どんどん膨れ上がって本人も暮らしにくくなるし、まわりも疲れ果てて悪循環になってしまいます。

 子どもによって「こだわり」の強さはさまざまで、関わり方のあんばいも難しいのですが、親もつい視野が狭くなってしまうので、少し俯瞰して状況をとらえることを頭の隅に置いておくのも大切です。

 例えば、日本人のものづくりのすごさを表すときに「職人のこだわり」という言い方をしますよね。よりいいものをつくるときのこだわりはむしろ大事なスピリット。子どものこだわりも全部がダメなのではなく、叶えても大丈夫なものもあるし、そのこだわりが個性に見えることもある。でも、毎日の生活に支障をきたすことや学びの機会を狭めてしまう、家族やまわりの人が疲れてしまうほどのこだわりに対しては、ゆるめてあげるサポートを知っておくといいですね。

 サポートの秘訣は、子ども自身がこだわらなくても大丈夫になれる仕掛けづくりにあります。親が強い言葉で説得するほどこだわることを手放すのは難しく、こじれてしまいます。子ども自身が「こだわらなくても大丈夫だった」と思える工夫で、我慢せずにこだわらなくても済む経験を重ねることが大事。ぜひ次の3つのポイントを試してみてください。

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竹内弓乃
臨床心理士 公認心理師 竹内弓乃

NPO法人ADDS共同代表。親子向け療育プログラム、支援者研修プログラム、事業者向けカリキュラム構成システムの開発などに携わる。NHK「でこぼこポン!」番組委員。オンライン発達相談サービス kikotto

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