ゾロリシリーズの後にも読書を続けていくためには、この作品の特徴である「マンガ調の絵が豊富に添えられており、ビジュアルによる補足情報が多い」「ストーリーを完全に理解できなくても楽しめる」という点の次のステップに着目して本選びをしてみるといいかもしれません。そうすると、次のステップで読みたい本としては「絵が少ない児童書」「しっかりとストーリーを楽しめる本」という2つの方向性が見えてきます。

 「絵が少ない児童書」へのステップを踏むのであれば、「絵は少ないものの読解の難しさはそれほどではなく、文字数も少なくて読みやすい本」を選んでみるといいでしょう。そうした本の中でも、ゾロリシリーズと共通する要素(ユーモラスなキャラクターが登場するなど)が含まれた本をピックアップすれば、楽しく読める可能性は高まります。「しっかりとストーリーを楽しめる本」へのステップを目指すなら、「絵本ではあるもののビジュアルの刺激は控えめ。読解の難しさはそれほどではないがある程度の文字数がある」という本の中から、ゾロリシリーズとの共通項があるものを探してみるといいかもしれません。

好きなジャンルとの中間地点なら新ジャンルでも受け入れやすい

 それでは、子どもに「新たなジャンルの本を読んでみてほしい」と思うときには、どのように本を選べばいいのでしょうか。子どもが「無理強いされている」と感じにくく、低リスクな方法としては「子どもが好きなジャンルとの中間地点を狙う」というものがあります。

 たとえば、学園ものが好きな子どもにファンタジーを読んでもらいたい。そんな場合は、学園ものでありながらファンタジーの要素も兼ね備えた本を選んでみてください。もともと好きで読み慣れている学園ものの本であれば、子どもは違和感なく受け取りやすくなりますし、「読んでみたい」という気持ちも芽生えやすくなります。子どもが好きなジャンルに歩み寄り、新たなジャンルとの中間地点を意識しながら本を選びおすすめすることで、子どもが興味を持ちやすくなるのです。

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