エディターのayumiです。先日、小1の長女がふとした会話の中で「さるかにがっせん...?」と言い出して、少し焦りました。よくよく考えたら、長女に「さるかに合戦」のお話を読んだことがなかったかも…!

その後、一緒に絵本を楽しみましたが、誰もが知っている有名な昔話こそ、意識して楽しまないと通り過ぎてしまうことが往往にしてあるのだと痛感しました。

昔話の入り口として、絵本やアニメ、今はパロディCMなんかもありますよね。

個人的にはお話の筋がちゃんと通っていて、子どもに対して変に忖度をしていない昔話を、丁寧に語り継ぎたい思いはあるのですが、長女の例のように「知らない」まま大人になってしまうのは本末転倒。

何でもいい!とは声を大にしては言えませんが、入り口やきっかけは、今の時代は多岐に渡ってもいいのではないかと感じたできごとでした。

そんな昔話ですが、今の子ども達はその背景をイメージすることが難しいことも多々ありますよね。

「おばあさんが川で洗濯を...」と言われて、「川に洗濯機なんてないよ!」というのは笑い話ですが、真面目にそう答える子どもがいてもおかしくはないと感じてしまいます。

大人も聞かれたところで、言葉で説明することが難しい背景や単語もたくさんありますよね。

そんなときに大活躍するのがこちらの絵本です。

『日本昔ばなしのことば絵本』

昔話に出てくる道具や仕事、時代背景などが絵で紹介されています。言葉だけでは伝わりきらないイメージも、絵があるのでとてもわかりやすい。「川で洗濯」のくだりも、この本を開けば、ちゃんと昔の洗濯のイメージが伝わります。

昔話だけでなく行事や神様など日本の文化も学べるので、リビングに一冊あるだけでふとしたときに親子で開いて話題を広げて楽しむのもオススメ。わが家でも、いつでもすぐ手に取れるところに置いています。

多様な入り口があっていい昔話ですが、伝えたい文化や知恵は変わりません。こうした本の力も借りながら、子ども達の物語の背景をイメージする土台をしっかりと培っていきたいですね。

(文/ayumi)

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AERA with Kids+ エディター(#読書部)。小4、年長、3歳の3人を子育て中。絵本のある子育てや本のある暮らしについて、自身の子育てを交えながら発信。おうちでできる子どもたちの読書サポートに取り組んでいます。