子どもがある日突然、性にまつわる質問をしてきたり、 心配な行動をとったり。そんなときこそ性教育のチャンスかもしれません。産婦人科医の高橋幸子先生に、子どもに聞かれたら少し戸惑ってしまうような質問に対する「模範解答」を教えてもらいました。子育て情報誌「AERA with Kids」からお届けします。
【図】子どもの第二次性徴でこんなことが起きるQ.赤ちゃんはどこからくるの?
赤ちゃんがお母さんの子宮の中で育つことは言えても、「どこからくるか」はハードルが高いと思うかもしれません。でも、事実を淡々と説明するだけで、案外、子どもは納得します。「女性のおまたには、オシッコの穴、うんちの穴、 もう一つ『腟 (ちつ) 』という穴があるの。『腟』は赤ちゃんの通り道だよ。赤ちゃんが生まれていい大きさになったら、子宮がギューギュー縮んだり伸びたりして、腟から出てくるんだよ」でいいのです。できれば「腟から出る以外に、手術でお母さんのおなかから出てくることもあるよ」と、帝王切開のこともわかりやすく教えられるといいですね。
Q.なんで、男の子にはおちんちんがあって、女の子はおっぱいがふくらむの?
男女の体の違いに関する質問ですね。「男の子のおちんちんはペニスといって、大人になったら赤ちゃんのもとを半分、女性に届けるためのもの。女の子の胸がふくらむのは、将来、赤ちゃんが生まれた時にお乳をあげるためだよ」と、シンプルな説明でわかると思います。どちらもプライベートゾーンで、人前で出したり、自分以外が勝手に触ったりしてはいけないことも、あわせて教えましょう。もっと知りたそうなら、思春期になると心や体にさまざまな変化があることを説明してもいいですね。一度に全て話さなくても、日常的に小さな対話を積み重ねていくことが大切です。
Q.「セックス」ってなに?
まず、どうしてそれを知りたいと思ったのかを聞いてください。アダルト動画などを見たことがきっかけなら、「そういう動画は『搾取と暴力の性』かもしれないよ」と教えましょう。
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