ところでわが家の夫は男女平等や育児参加への意識はおそらく高いほうです。

「意識」はね。

 あ、もう若干イラッとしてるのがバレそうな書き方をしてしまった。母親になっても夢ややりたいことを諦めずに前向きでいてほしいし、そのためのサポートは惜しまない!という熱い想いがある素敵な人なんですよ。いやほんとにほんとに。

 しかし現実は……。平日は朝早く出勤し毎晩日付を越えて帰宅。国内外への出張も多く、業種柄行楽に適した休日にはお仕事が入りがち(張り付いた笑顔でお送りしております)。平日の午前様といっても決して飲み歩いてるわけではなく、海外との時差調整で夜中もガッツリ仕事をしている働き者。

 その分、仕事が入っていない休日には睡眠不足で疲労困憊にもかかわらず家族と同じ時間に起床し、子どもたちの習い事の付き添いや保育園行事にも参加。授業参観の日に代休をとったりもしてくれます。

 そんな夫を見て周りの保護者のみなさんからは、

「子育て熱心なパパで羨ましい」

 と絶賛していただきます(引き続き乾いた笑顔でお送りしております)。

 何が不満? いいえ、こんなに休む暇もなく働いているのに子育ても頑張ってくれる夫に文句なんて言えるわけないですよね?(笑顔パキパキ)

 ……お気づきでしょうか。

「私も」働いているのです。

 夫は昔からこういう働き方なので、長男が2歳の時に私がフルタイム正社員を辞めて調整の利きやすい在宅のフリーランスに転向しました(自分のやりたい仕事でもあったのでポジティブな転向です。念のため)。そして子どもの体調不良や夫が仕事の休日に「調整」をしまくった分、詰め詰めになった自分の仕事は夫が対応できる日にしています。

 つまり、うちの場合は夫婦2人ともに完全な「休日」といえるものがないのです。育児をネガティブに言いたくはないけれど他に適切な言葉が見つからないので例えるなら、家事育児を「分担」して負担を軽くしているというよりも、「痛み分け」のような状態です。

NEXT1980年代よりも改悪してない?
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