「へっへっへっ〜、〇〇くんの負け〜!!」ーースポーツやゲームなど勝敗がつく遊びをしていて、お友達同士でケンカになったことはありませんか?
はじめまして。AERA with Kidsエディターのあっきーこと梶木あきこと申します。整理収納アドバイザーとして活動しながら、新小4・小1男子きょうだいを子育て中です。
わが子は年長から将棋を始めたのですが、自信がついてくると、負けた子に対して「へっへっへ〜!」といばるような態度をとることがでてきました。
といっても、このときはコロナ禍。オンラインで対局していたため、相手の顔は見えずパソコンに向かってひとりごとを言っているだけ。
(見えないからいいのかな…)
(いや、でもこれがクセになってしまったらいやだな…)
「勝ちたい」という気持ちは、がんばっているからこそでてくる素敵なもの。でも相手がいてこそ対局できるのだから、勝っても負けても相手に敬意をもってほしいなと思いました。
オンライン対局では先生やコーチはいないので、親が伝えるしかありません。
(でもどう伝えればいいのかなあ…)
そう悩んでいたときに出合った本が『こども孫子の兵法』でした。
孫子の兵法は、もともと争いに勝つための考え方が書かれた中国の書物ですが、現代社会を強くしなやかに生きるヒントがたくさんあります。
その中からコレ! というものを抜粋して、こども訳をつけて分かりやすく紹介してあるのがこの本です。
例えば、『相手を追い詰めすぎてはいけないよ』の章の中には「もしきみがだれかに勝ったとしても、けっして相手をバカにしたり笑ったりしてはいけないよ」とあります。
私が伝えたかったのが、まさにこれ!
かわいいイラストとともに優しい語り口調で書かれているので、本を見ながら読み聞かせをすると、年長だったわが子にもしっかり伝わったようでした。
長男は小3になり、お友達とカードゲームをする機会も増えました。勝ったことは喜ぶけれど、相手をバカにしたりはしない、絶妙のバランスを保ってくれています。
他にも、『怒りにふりまわされてはいけないよ』『意味のある「逃げる」だってあるんだよ』など、まさに親が子どもに伝えたい、強くしなやかに生きるヒントがつまっています。
一章はとても短いので、気になるところからさくっと読めるのもうれしいです。
小さいころは一緒に読んだり、大きくなったら子どもが悩んだときにふと「あの本にヒントがあったんじゃない?」と声をかけてみたり。
大人が読んでもハッとすることも多く、ずっと大切にしたい一冊です。
(文/梶木あきこ)