中学受験、親のOK行為・NG行為
家庭学習でついやってしまいがちな「NG行為」の具体例について、坂本さんがアドバイスしてくれた。
<NG>親が熱心になりすぎると教育虐待につながる恐れも。安心感を持たせることが大切
「親が気持ちや力を入れすぎても効果はありませんし、エスカレートすると教育虐待につながる危険性があります」。親の熱意は必要だが、一生懸命にやりすぎると子どもが自主性を発揮できなくなる。「努めて冷静に、安心感を持たせてあげながら、受験をすることでこんないいことがある、という前向きな話をしてあげましょう」
<NG>ご褒美を与えすぎると勉強の目的が変わってしまう
よい成績や合格に応じてご褒美をあげる“ニンジン作戦”は、やるとしても「受験で合格したら」など長いスパンのものに限定すべき。「勉強の目的が『合格するため』から『ご褒美のため』になってしまいますし、それが繰り返されると『ご褒美がなければ頑張らない』という思考になりがちなので、頻発させないほうがいいですね」
<NG>誰かとの比較は絶対禁物。おすすめの対比は過去の“自分”と比べること
他人との比較は絶対に禁物だ。塾の成績や偏差値でほかの子と比較する必要はないし、きょうだいや親自身と比較し「お兄ちゃんは優秀だったのに」「私にできたんだからあなたにもできるはず」と押しつけてもいけない。「おすすめは過去の“自分”と比べること。『半年前に比べて進歩しているよ』などと言ってあげるのがいいですよね」
<NG>「次は大丈夫」という言葉は無責任。励ましは慰めでしかない
子どもが失敗したときに「次はできるから大丈夫」と励ますと、言われた側は「たぶん次もできない」と考えてしまうので逆効果だ。「励ましは慰めでしかないので、あまり効果がありません。『何が足りなかったと思う?』『次はこういう方法でやってみようか』と声かけして、改善のためには何が必要かに着目させるのがいいでしょう」
(文/池田敏明)
朝日新聞出版