小学生の親が一度は考えるであろう、英語の習い事。本格的に習い始める前に知っておきたいこと、始めてからモヤモヤしがちなことなど、よくある疑問をECC総合教育研究所所長の太田敦子さんに聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2023年冬号」(朝日新聞出版)からお届けします。
【図版】現役開成高校生・ぎん太さん母が大切にした習い事の向き合い方、3つのポイントはこちらまずは英語を習う目的をクリアに
「2020年に英語が小学校5、6年生の教科になって以来、子どもに英語を習わせる理由は、”中学に入る前に少しでも英語に慣れ親しんでほしい“から、”きちんとした学力として身につけさせたい”に大きく変化したと感じます」とECC総合教育研究所所長の太田敦子さんは分析します。
親世代の多くは、小学校で教科として英語を学んでいないこともあり、子どもが英語を習うにあたっては不安や悩みが尽きません。
太田さんは「まずは英語を習う目的をクリアにしたうえで、子どもの性格や年齢、精神的な成熟度もよく考えて教室や先生を選んでほしい」とアドバイスします。
一般的に子どもは、年齢が低いほど日本語と英語を区別せず、英語を「音」として受け入れることができ、ネイティブ講師への抵抗感も低いと言います。先生の言葉の意味がわからなくても、楽しく参加できる子が多いそうです。
「成長するに従って日本語の基礎も固まり、論理的な思考力も高まってきます。4〜5年生くらいから、それまで音のかたまりとして、なんとなくインプットしてきた英語を、知識としてきちんと理解したいという気持ちも強くなります。そうなると、英語学習も文法抜きには進められません。日本語でしっかり説明できる先生が、知識として整理してあげることで、英語が『わかった!』という喜びを実感できることが多いです」と太田さんは続けます。
また、高学年になると、他人の目が気になり始めます。ネイティブ講師の英語のシャワーを浴びる環境に飛び込んで積極的に発話できる子もいれば、人前で間違うことを恐れて話せない子もいるでしょう。
「子どもの性格や気質に合わせて、英語を学ぶことを楽しいと感じる先生や教室を見つけることが何よりも大切です。入学前に必ず体験レッスンを受けて、子どもの様子を観察し、子どもの感想や希望を尊重して、安心して学べる環境を選んでほしいですね」
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