考え方2.習い事は「機会」「刺激」、もはや「推し活」!
中学受験「伸学会」代表の菊池洋匡さんは「まだまだ人生経験の浅い小学生にとっての習い事は、シンプルになにかを知る『機会』や日常の『刺激』でいいと思うのです」と話します。
「習い事は、家や学校では得られない体験ができる場。もうひとつ、大人の趣味と同じで『楽しみのためにやること』や『推し活』というとらえ方をするのもありだと思います。楽しんだほうが、能力も伸びやすいですし」
とはいえ、月謝を払っているのは親。だから「ちゃんと身に着けてほしい」という思いが強くなってしまいます。
「『これだけやってるんだから』という見返りを期待してしまう気持ちもわかります。でも、大人の欲があればあるほど、子どものやる気は失われてしまうもの。たとえば、だれかに食事をごちそうしてもらったときに『○○円もかかったんだから…』なんて相手に思われていたら嫌ですよね」
理想通りにいかないときに、苦しくなってしまうのも親。だからこそ、子どもの習い事には見返りを求めないことが、ストレスをためないコツです。
考え方3.習い事を親も一緒に楽しむ
「可能なら、親も子どもといっしょの習い事を始めてみましょう」と話すのは、脳科学者の瀧 靖之先生です。
「人は『模倣』によっていろいろな能力を獲得していきます。動きもそうですし、感情も模倣から学ぶことがあるのです。ですから、一番身近にいる親御さんがワクワクと興味関心を示すことには、子どもも興味関心を抱きやすいのです」
瀧先生も、小6の子どもといっしょにピアノを習っているそう。
「どんなところが大変だったか、楽しかったかといったことが共有できるので、会話も弾みます。親子の会話は、脳の発達にも有効なのです」
また、なにか好きなこと、つまり「趣味」は脳の健康を維持するためにとても大切といわれるもののひとつ。
「子ども時代はもちろん、これは大人にもあてはまることなのです。習い事は修行ではありません。本質的に『楽しむ』ことが大切なのです」
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