そんな時代の移り変わりをまたいできた世代が後輩や部下を抱えている今。仕事も家事子育てもきっぱり半々の感覚を持つ若い子育て世代に理解もあります。自分たちが苦しんだ周囲の無理解を繰り返さないようにしてあげたい思いも……。で、若者の仕事量を調整していると、気づけば皺寄せは自分にくるしその煽りを受ける家族、という図式。
数年前には同じ話がワーママ VS 独身女性の構図で物議を醸したような気がしますね。誰が悪いのでもなく、結局仕事の量も求められる結果も変わらないまま多様性を認めみんなが働きやすい社会に変えていかなければならない、というジレンマは永遠の課題なんですよね。
AERA with Kidsの連載では、子どもの前で悪口を言わないように気をつけていたのに、夫の出張中いっぱいいっぱいになった私がつい漏らした愚痴を、一言一句覚えていた5歳児が帰宅した夫に伝える、という誤爆事件をお伝えしました。
今回は夫に取材をしていると小6の長男が何やらしたり顔で間に入ってきて、
「ねぇねぇ、お父さんの会社ってホワイト企業なの? ブラック企業? 毎日帰るの遅いけど残業代はちゃんともらってる? お給料はどんぐりとかじゃない?」
と矢継ぎ早に聞いてきて、思わず夫と顔を見合わせて吹き出してしまいました。
どうやら最近ハマっているYouTubeで『動物たちがブラック企業に立ち向かう』というテーマのアニメがあるそうで。一緒に見てみると税や制度などの社会問題についても分かりやすく切り込んでいてなかなか勉強になりそうな内容。いいチャンネル見つけるじゃないか長男。
いやお前な、ピュアホワイト企業なんて見つけるほうが大変なんだぞ? 残業代とかないの、俺は年俸制だから! 給料どんぐりだったら今日の会計(外食中でした)どうやって払うんだよ!
と意外と真面目に答えつつ、本来ならシビアな会話がなぜか大盛り上がり。長男のおかげで重たい空気が吹っ飛びつつも、働き方と家事育児分担問題を社会のあり方に絡めてなんとなく前向きに意見を出し合えたひとときになりました。
子どもの前でケンカしないことを第一に考えて大人の話し合いは避けてきたところがあるけれど、むしろ子どもを交えオープンに話すことで結果丸くおさまることもあることを知って、『犬も食わない夫婦ゲンカをおさめる子はかすがい』と、つくづく噛み締めた夫婦でした。
朝日新聞出版