「やむにやまれぬ事情とはいえ、俺の言い分を並べてみたら見事に昭和のオヤジになってしまうんだよなぁ……」

 と言葉を濁します。

 詳細ははばかられるので夫のモニョモニョした言い分をまとめますと、平日も忙しく業種柄週末開催のイベント運営などで家にいないこともあるけれど、会社の人は自分より仕事に出てくれている! たまの休みは子どもの習い事送迎やキャッチボールもしている! 家族への思いや子育てに協力したい気持ちは(気持ちは)俺にだってあるんだ!

 という、たしかに高度経済成長期のお父さんをきれいに引き継いだ企業戦士NEOがここに。24時間働けますかが遠くから聞こえてくるよ……涙。

 夫が今、長年望んできた仕事に就きやりがいを感じているのは伝わってきて私もうれしく思っているし、40代が頑張りどきというのも理解しています。でも昭和〜平成と令和が違うのは、それを男性だけのものにさせない点。女性も望むキャリアを歩み続けるため、女性だけで担ってきた家事や子育ても同じだけやることを求められる現代は、特に中間管理職の多い40代男性にとってあまりに過酷なのかもしれません。

 うちは3兄弟で歳も離れているので世代間の変化をモロに実感するのですが、末っ子の同級生を見ていると、今20~30代の子育て世代は第一子誕生当初から父親が家事育児をこなすことが当たり前の感覚になっている家庭が多いんですね。

 でも、今の私たち40代の第一子時代というのは、「イクメン」という言葉が流行り「男性なのに」育児参加するなんて「すごい!偉い!」ともてはやされたんです。『子育てをする父親』の理想像はあらわれたものの会社の制度や社会の受け入れ態勢がついていかず、人によって賛否が分かれた過渡期、とでも言いましょうか。

 抱っこ紐でお出かけしてみたものの、男子トイレにはおむつ替え台がなく赤ちゃん抱えてさまようパパがいたり、公園で子どもを遊ばせているパパがまわりのママたちから不審者と疑われたり職を心配されたり……といった問題も浮き彫りになったのを覚えています。

NEXT若者の仕事量を調整していると、気づけば皺寄せは自分に
1 2 3 4