学校はたくさんの人がいるからいろんな結果で周りと比べられることもあるけど、それは学校が決めたただのルール。そこに無理に合わせるよりも、今は得意な算数を優先するのもいいんじゃないかな。
時間を置いたらできるようになることもあるかも。逆上がりとか一輪車とか、できなくてあきらめていたけど、ふとしたタイミングに挑戦したらできるようになっていたってこともたまにあるよね。よしおは小学生のころ、鉄棒のグライダーという技がいつの間にかできるようになった経験があるよ。
■「頑張れない気持ち」を大切にする
今後ののんちゃんの人生の中で、「頑張りたくても頑張れない」ことに出合うことはこれからもあると思う。頑張るために自分を奮い立たせることが大事なときもあるけど、それと同じくらい、頑張れない気持ちを優先させてあげることも必要なんじゃないかな、ってよしおは思う。
どっちの気持ちが偉いとか偉くないとかってことはないし、それは自分で決めてもいいことだから、今は走ることを休んで得意なことを頑張る時期にしてもいいのかな、ってよしおは思ったよ。苦手に挑戦しようという心意気は本当に素晴らしいけど、それで体調が悪くなってしまうほうがよしおは心配だな。
よしおも、暗いところや狭いところが苦手なのは克服できていないし、そういうお仕事は断るようにしているよ。何よりも自分のからだが一番大切だからね。だからのんちゃんも自分の体調を優先して、頑張れないっていう気持ちも大切にしてほしいな。もし今後走れそうかも、ってタイミングがあればまた挑戦してみればいいんじゃないかな。
……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?
(構成/濱田ももこ)
●小島よしお(こじま・よしお)/1980年、沖縄生まれ千葉育ちのお笑い芸人。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「そんなの関係ねぇ!」でブレーク。2020年4月からYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で子どもの学習を支援する動画を公開。キッズコーディネーショントレーナーの資格を持ち、子ども向けのイベントを多数開催している。この連載をまとめた『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)が発売中!
小島 よしお