子ども自身にとっていい学校生活をかなえるには、進学実績などの学力以外の観点からも志望校を吟味する必要があります。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』では、特徴的な学校の実例を見ながら、知っておきたい志望校選びのコツを安田教育研究所の安田理代表に聞きました。
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■校風で選ぶ
校風は学校そのものといってもいい重要な要素だ。付属や別学か共学か、あるいは歴史の長さなど、さまざまなところに表れ、教育方針に収れんしていくものでもある。
付属校は大学進学にも安心できる分、6年間のびのびと好きなことに没頭できる。一方進学校では大学進学に向け、高校生になると受験勉強が厳しくなる。
また男子校・女子校は戦前に設立された歴史の長い学校である場合が多い。伝統を重んじ、独特の行事や作法の教育を実施しているところも。先生の異動も少なく安定的で、卒業生とのつながりが強い点も特長だ。
一方で共学は比較的近代的で、明るく開放的な校風のところが多い。STEAM 教育やPBL 型の授業(問題解決型授業)など、新しい教育を取り入れやすい点も特長。現代社会で求められる即戦力を培うプログラムも多く見られる。
■部活で選ぶ
部活動は学校によって活動状況が大きく異なり、活動日や時間の制限を設けているところもあれば、制限なく熱心に活動する学校もある。
運動系部活で、全国大会などに毎年出場するようなところは、レギュラーの座をつかむのが大変だったり、高校からスポーツ推薦で選手が入ってきたりする可能性も。経験者が集まる強豪校なのか、趣味として楽しめるのかを確認する必要があるだろう。
「可能なら実際に部活動を見学し、雰囲気も体験できたらいいですね」(安田さん)
近年では、設備や環境が充実した私立ならではの文化系部活も注目を集めている。
「最近は部活の研究成果をもって、東京大学など難関大学の推薦入試を勝ち抜くケースも出ています」(安田さん)
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