ビートたけしさんが「常識を知っているから、非常識なことができるんだ」と言っていましたが、お笑いって実は勉強も欠かせない職業です。僕自身、芸人の仕事をしていて、学生時代に勉強をしていてよかったな、と思うことばかりです。芸人という仕事は幅が広いので、コメンテーターとしてテレビに出たり講演会で地方に招かれたりすることもあります。

 漫才師なんかとくに勉強ができたほうが有利でしょう。いろいろ知っている人のほうが幅広くいろんなことをネタにできますからね。お笑い芸人について調べると、そんな一面も見えてくるので、お子さんに「勉強しなきゃね!」ということも言いやすいと思います。

 もしくは、演者として人前でネタを披露することを勧めてみるのはどうでしょう。帰りの会や友だちのお誕生日会なんかは、ネタを披露するのにぴったり! 僕も小学生のころ、帰りの会で友だちと一緒にコントを披露していました。

 もしかしたら人前でネタを披露したことで、本人が挫折する可能性もあります。それならそれも、いいことでしょう。やってもいないのに反対されるのと、体験して自分で挫折を味わうのでは全く違う経験になります。もしやってもいないのに反対されたら、ずっともやもやが残ることになってしまいますからね。

 反対するのが悪い、というわけではありません。高校生くらいになったら、「あなたの将来が心配」ということを伝えるのは親心として当たり前のことでしょう。本人も、そのくらいの年齢になったら「収入が不安定な職業、反対されるかもしれない」と素直に思えるはずです。

 ただ、はじめにも話したように、小学1年生という年齢で親に自分の夢を反対されてしまったら、「親に否定された」という気持ちだけが残ってしまうと思うのです。その気持ちは、これからお子さんが成長していく過程で、ないほうがいい感情ではないでしょうか。

 それよりも、親は自分のことを応援してくれる存在だと伝えてあげるのがいいと思います。もしお子さんの夢が変わっても、やることは同じ。応援して、一緒に勉強してあげるのが、お子さんの興味を広げることにもつながるはずです。

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