3月8日は国際女性デー。日本は昨年12月に発表された最新の「ジェンダーギャップ指数」で、過去最低の121位という結果だった。それだけ男女格差があるということだ。何が問題なのか。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」3月号で、この問題をわかりやすく解説した。
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2019年12月、世界経済フォーラムという国際機関が各国の男女格差のランキングを発表した。今回、日本は調査対象153カ国のうち121位で過去最低だった。
ランキングは経済、教育、健康、政治の4分野の14項目を調べて順位付けする。11年連続1位のアイスランドをはじめ、上位は北欧諸国が占める。日本は18年も110位と、実は下位の常連国。主要先進7カ国(G7)でも毎回最下位だ。G7中、今回、日本の次に低いイタリアは76位だった。
日本が下位なのは、政治分野の女性進出が遅れているからだ。世界でみると、女性の割合は国会議員(下院議員)の25%、閣僚の21%だ。高くはないが、日本の女性の割合は調査対象の衆議院議員で10・1%。閣僚は昨年9月の内閣改造前までは5・3%。いかに低いかがわかるだろう。
日本では18年に選挙での候補者数をできるだけ男女均等にしようという法律ができた。しかし強制力を持たず、その後あった参議院選挙では、自民党の女性候補者の割合は15%だけだった。
世界各国は政治の場に女性を増やすため、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」をとる国が増えており、120カ国を超えた。しかし日本では、クオータ制は自民党などに反対の声が強い。
なぜ日本では女性政治家が少ないのか。いろいろな原因があるが、人々に「政治は男性の仕事」という思い込みがないだろうか。
たとえば、みなさんの学校の生徒会役員の男女の割合はどうだろう。もし男女同数に近かったり、あるいは女子のほうが多かったりしたら未来の政治の場は確実に変わり、日本のランキングも上がるだろう。
もしそうでなく、男子のほうが多かったら、なぜそうなのか、ぜひ話し合ってみてほしい。政治は大人だけのものではないのだから。
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