中学受験において、志望校選びはいろいろな情報があり、迷うのも確か。そんな時に頼りになるのが客観的なデータで、中でも特に重視したいのが大学合格実績です。ここでは、「合格率」を指標に、首都圏の中高一貫校のさまざまなランキングを紹介します。中学受験の学校選びの参考としてもご活用ください。
大学合格実績と言っても、さまざまなデータがある。その中で注目したいのが合格率だ。これは各校の卒業生数を勘案して、合格率(合格者数÷卒業生数×100)で算出する。合格者数だけでは、卒業生の多い学校が、どうしても上位にきてしまう。それが合格率順になると、合格者数順とは異なるランキングになる。なおデータの合格者数にはその年に合格した浪人の実績も含まれるため、算出された合格率は、その年の卒業生に占める合格者数の割合ではないことを注記しておきたい。順に見ていこう。
表1の「難関国立大」を見てほしい。これは2022年の各中高一貫校からの東京大、京都大、東京工業大、一橋大の合格者数合計を基に合格率を算出したものだ。
トップは筑波大附駒場の62・3%だ。卒業生が162人と少なく、合格者のほとんどが東京大というのも特徴だ。2位は東京大合格者41年連続トップの開成だ。開成は卒業生数が405人と多いが、59・3%の高率だ。前年は45・1%だったので大きく伸ばした。難関大合格者数も240人で前年比64人増。2位の聖光学院の105人に倍以上の差をつけている。3位は栄光学園の51・7%、4位は聖光学院の46・1%。上位は男子校が強いが、5位は女子校の桜蔭で36・6%。共学校トップは9位の渋谷教育学園幕張、次いで11位の筑波大附と渋谷教育学園渋谷だった。
近年、東京圏で人気が上がっているのが京都大だ。トップは開成の22 人、次いで麻布の16人、女子学院の11人、筑波大附と東京学芸大附が各10人と続く。京都大は学部・学科単位で募集し、東京大とは異なっている。そのため大学で学びたいことが決まっている受験生には、早くから専門領域を学べることで人気が高い。これに対し東京大は、2年間教養教育を学び、3年から専門領域を学ぶ。
東京工業大トップは浅野と千葉・県立の各24人、次いで開成が16人、栄光学園が14人、攻玉社と豊島岡女子学園が各12人だった。豊島岡女子学園は理系志望者が多い女子校の一つ。一橋大トップは千葉・県立の20人、次いでサレジオ学院の15人、桐朋の14人、浅野と市川の各12人だった。
(文/大学通信・大野香代子)