中学受験において、志望校選びはいろいろな情報があり、迷うのも確か。そんな時に頼りになるのが客観的なデータで、中でも特に重視したいのが大学合格実績です。ここでは、合格実績などを指標に、首都圏の中高一貫校のさまざまなランキングを紹介します。第3回目は早稲田大・慶應義塾大のランキングです。
表3と4を見ていこう。近年は早稲田大、慶應義塾大にどうしても入りたいからと、文系学部を全部受けるような受験生は減っている。大学で学びたいことを決め、学びたいことを軸に併願プランを立てていくのが普通だ。大学へのこだわりが薄れてきている。
早稲田大トップは女子学院の76・1%だ。2位が前年トップの聖光学院、3位は共学校トップの渋谷教育学園渋谷、4位は合格者数全国トップの開成、5位は渋谷教育学園幕張だった。
一方、慶應義塾大のトップは聖光学院の57・5%で、2位は栄光学園の56・4%、3位は合格者数全国トップの開成、4位は前年トップの浅野、5位は海城だった。男子校が強い中、女子校トップは6位の洗足学園、共学校トップは8位の渋谷教育学園渋谷だった。
表の早慶の顔ぶれは似ている。トップ30のうち24校が同じなのは、早慶の併願者が多いことの表れだ。異なる6校は、早稲田では、東京都市大付、東葛飾、暁星、南、白百合学園、桐朋、慶應では、雙葉、芝、世田谷学園、桐蔭学園中教、武蔵、吉祥女子だった。学校によって、早稲田に強い、慶應に強いといった差はある。女子学院は早稲田トップだが慶應は10位、渋谷教育学園幕張は早稲田は5位だが慶應は15位、逆に浅野は慶應は4位だが早稲田は22位だ。
ひとくくりに早慶と言われるが、校風やキャンパスの立地、学部構成や入試科目も異なる。慶應は医学部や薬学部などの医療系の学部があるが、早稲田には無い。それらが影響して人気の分かれ目になっている。
(文/大学通信・大野香代子)