「クジラでは一つの考えを世界に押しつけるのは無理」を基本に考えたい。筆者が考える妥協策は、「日本でも世界でも昔からクジラを捕っていた地域では、沿岸での小規模捕鯨をしてもいい。しかし、大規模捕鯨や公海での捕鯨はしない」だ。こうしたことも「IWC脱退」ではなく、話し合う中で決めなければ対立は解消しない。(解説/元朝日新聞編集委員・竹内敬二)

【「商業捕鯨」と「調査捕鯨」の違いは?】
「商業捕鯨」は、捕ったクジラの肉を売ることを目的として行うクジラ漁。「調査捕鯨」は、クジラの生態や数などを調べることが目的で、毎年捕るクジラの数は決まっている。捕ったクジラの肉は市場で売られて調査費用にあてられている。

■捕鯨をめぐる主な動き
1948年/国際捕鯨委員会(IWC)が設立
82年/IWCが商業捕鯨の一時停止を決める
87年/日本が南極海での商業捕鯨をやめ、調査捕鯨を始める
2010年/日本の南極海での調査捕鯨は違法と、オーストラリアが国際司法裁判所に訴える
14年/国際司法裁判所が日本に調査捕鯨の中止を求める判決を出す
15年/日本が新しい計画で調査捕鯨を再開
19年/日本がIWC脱退

※月刊ジュニアエラ 2019年4月号より

ジュニアエラ 2019年 04 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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