――そうです。無理です~!
それに比較は悪いことだけじゃない。わが子の長所にも気づけるし、弱点はフォローしようと思える。でもね、唯一やってはいけないことがあります。それは、比較した結果を子ども本人に伝えること。「○○ちゃんはできるのに、なんでできないの?」と言うのは子どもを傷つけるだけです。
――比較することで、親のほうがち込むことも多いのですが……。
大丈夫。子育ての悩みの9割9分は時間が解決します。言葉が遅い子だって、おむつがはずれない子だって、時期がくれば基本的にはできるようになるんです。
――発達が遅いのは育て方の問題かもしれないって悩んでしまいます。
全部自分のせいだなんて思う必要ありません。イヤイヤ期も思春期も、本人にちょうど良い時期がくれば始まり、いつの間にか終わっていきます。逆に発達が早いのも親の育て方ではなく子どもの個性である場合がほとんどのように思いますよ(笑)。
――ちょっと安心しました。でも赤ちゃんの気持ちがイマイチわからず不安になることもあります。
エスパーじゃないんですから、人の気持ちなんてわからなくて当然です。それでも、子どもの表情や行動を見ながら気持ちを想像して言葉にすることはできますよね。「おもちゃをとられたから悔しいんだよね」とか「もっと遊びたいよね」と。間違っているかもしれないけれど、想像して子どもに共感していくんです。違うようなら、また考えて親が言葉にする。そうやって心を通わせていくのが人間関係だと思います。
(取材・文/神 素子、AERA with Baby編集部)
※「AERA with Baby」てぃ先生インタビューでは、このほか「きょうだいげんかを何とかしたい!」など未就学児を育てるママパパからのお悩みへの回答を紹介しています。
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