国は働く人たちの権利を守るために、労働に関する法律を定めています。「労働基準法」と呼ばれるものがその一つです。こうした法律の知識が、将来みなさんの身を守ってくれます。何も知らないまま雇い主に脅されたり、いいように言いくるめられ、こき使われたりすることがないよう、心にとめておいてください。大切な若い人材をこれ以上失いたくないです。

※「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果」(2015年11月)

■「ブラックバイト」ってどんなこと?

 ブラックバイトの相談などを受け付けている「ブラックバイトユニオン」では、被害の多いコンビニや飲食店、塾での具体的な事例をホームページで公開していて、アルバイトが不当に安く使われている現状が生々しく伝わってきます。いくつか紹介しましょう。

<コンビニで>
店舗の売り上げランキングを上げるために、店長がアルバイトに対しておでんを買うよう求めたり、クリスマスケーキの販売個数にノルマを設けて、達成できないと自腹で買い取るよう強要したりする。

<飲食店で>
飲食店では注文ミスをしたらその代金を自費で支払わされる。

<塾で>
塾講師としての時給は授業時間分しか支払われないのに、授業の準備や保護者との面談など、次々と無給の仕事をさせられる。

【メモ】
労働基準法
憲法27条「労働権」に基づき定められた、労働者のための保護法。最低限守られるべき条件が書かれている。

【今月のポイント】
・ブラック企業とは、法律に違反した働き方を従業員にさせる会社のことをいう。
・今や大学生の7割が学費や生活費のためにアルバイトをしている。また、何らかのトラブルにあっている人も多い。
・働く人の権利を守る「労働基準法」をしっかり覚え、働き始めるときは契約書を交わそう。

※月刊ジュニアエラ 2018年5月号より

ジュニアエラ 2018年 05 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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