今年の4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。これによってどんなことが変わるのか。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」2月号では、浦和大学社会学部現代社会学科準教授の林大輔さんの監修のもと特集した。

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 日本では明治時代から約140年にわたって、成人(成年)年齢は20歳と「民法」で定められてきた。2018年、18歳に引き下げる法案が成立し、22年4月1日から施行されることになった。この時点で18歳、19歳に達している人は、その日から成人になる。

 世界を見ると、成人年齢を18歳としている国が多く(187の国・地域中、141の国・地域で18歳)、日本もこうした国際基準に合わせることになる。

 成人年齢を18歳に引き下げる背景には、憲法を改正するときに必要な「国民投票」の投票権や、公職選挙法が定める選挙権年齢が18歳に引き下げられたことがある。これらはすでに施行されている。「若者にも積極的に社会参加してもらうため、国にとって重要なことの判断に関しては18、19歳も大人としよう」という考えで、政策が進められてきた。これに合わせて、市民生活に関する基本法を定める「民法」でも、18歳以上を大人として扱うべきという声が高まり、今回の見直しが決まった。

 健康被害や依存症の恐れがある飲酒や喫煙、ギャンブルはこれまでと同じ20歳からのままだが、多くのことが18歳から可能になり、保護者の同意なしの結婚や、さまざまな契約が結べるようになる。

 ただしそのぶん、自分で責任を持つべきことも増える。今から心構えをしておきたい例として、「契約」「犯罪」の二つが挙げられる。

「契約」については、最近では、オンラインゲームの課金やアダルトサイトの高額請求など、デジタルコンテンツに関するお金のトラブルが増えている。ほかにも、化粧品を通販で購入するとき、SNSで「おためし500円」の表示を見て申し込んだけれど、実際は数万円の支払いが必要になる定期購入の契約だった、などのケースも多い。

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AERA編集部
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