発達障害・グレーゾーンの子どもたちとのコミュニケーションはどうすれば親子関係がうまくいくのでしょうか。子どもの特徴を「個性」と認めたくても、実際は怒ってばかりだったり、子育てに自信をなくしたり。少しでもお互いがラクになれるような、コミュニケーションのヒントを紹介します。教えてくれたのは、発達障害・グレーゾーンのお子さん3人の子育てをしながら、親の目線で具体的なコツやアイデアを発信する大場美鈴さんです。発売中の「AERA with Kids」秋号から一部抜粋します。
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●子どもの特徴に合わせたベストな「声かけ」
発達に凸凹がある子は、学校や生活上で困難を感じがちです。心配するあまり、親子の会話がこじれるという声は多く聞かれます。
「発達障害&グレーゾーンの子育ては大変ですよね。私も、長男が小学校になじめずトラブル続きだったときは、どうしたらいいか困りました」と言うのは3人の子を育てる大場美鈴さん。長男はASDの診断とADHD+学習障害傾向があり、次男と長女は、いくつかの凸凹がある“グレーゾーン”。 それぞれに特徴がある子どもたちにどう接すればいいか、試行錯誤を繰り返したといいます。
「できないことを叱っては、反省する日々。そんな子育てを変えたいと、独学でわが子に伝わりやすい“声かけ変換”を考えました」
つい出そうになる小言を、一人ひとりの個性やがんばりを認める声かけに変える。その言葉の数々は、きっとどんな子でも親に言われてうれしいと思えるものばかり。
「障害のあるなしにかかわらず、褒められたらうれしいですよね。 親は誰でも“うちの子専門家”。各ご家庭でベストな接し方を模索する中で、わが家の声かけが少しでもヒントになればうれしいです」
●漢字が苦手な息子たちはどう受験勉強したのか
大場家の長男と次男は、二人とも中学受験をし、私立の中高一貫校に通っているそう。その選択をしたのは長男が5年生の秋でした。
「息子自身が、中学は新しい環境で頑張りたいと言いだして。フリースクールなども考えましたが、通える範囲で、小規模で自由な校風の学校を見つけたんです。息子も気に入って受験を決めました」