加藤シゲアキさん。カメラマンからの「ガッツポーズ」依頼にも軽やかに答えた(撮影/写真部・東川哲也)
加藤シゲアキさん。カメラマンからの「ガッツポーズ」依頼にも軽やかに答えた(撮影/写真部・東川哲也)
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30分の会見を終えた加藤さん。穏やかな表情で会場を後にした(撮影/写真部・東川哲也)
30分の会見を終えた加藤さん。穏やかな表情で会場を後にした(撮影/写真部・東川哲也)

 NEWSの加藤シゲアキさんが刊行した小説『オルタネート』(新潮社)が第164回直木賞の候補にノミネートされた。部活に没頭し、恋を知った高校生たちの姿が描かれた青春群像劇で、第1話が掲載された「小説新潮」が発売4日目に重版を決めたことでも話題を呼んでいた。ノミネートを受け、17日に記者会見が行われた。緊張感はありつつも、終始和やかな雰囲気だった会見の全文をお届けする。

*  *  *

――直木賞へのノミネートおめでとうございます。聞いたとき、どんな気持ちでしたか。

ありがとうございます。びっくりしました。やっぱり、作家にとって憧れの賞です。もちろん、いつかは候補になってみたいと思っていましたが、今作でなれるとは思っていなかったので、本当に「びっくり」っていう感じです。

――作家として表現するとどんな言葉がありますか。

「驚愕」です。いまいち信じられないというか、ピンとこないです。

ご心配をおかけしたかと思いますが、僕はコロナにかかって外出できない状態で、(ノミネートの連絡を受けたのはPCR検査で)一度目の陰性が出たタイミングでした。体調としては万全でしたが、仕事の目途が立たなかったり、迷惑をかけてしまったと感じる日々に少し気落ちしていた部分もあって、そこからこの候補の報せだったので、なんて言うんでしょう……。フットボールアワーの後藤(輝基)さん風に言うと、「高低差ありすぎて耳キーンとする」! 本当にキーンとしました。「何これ?」という感じでした。

――ご自身で分析して、今作のどの部分が直木賞に選ばれたと思いますか。

まったくわかりません(笑)。本当にわかりません! では、今までの作品は違ったのかというと、いつも全力でやってきたので、自分では「本当に運がよかった」と受け止めるようにしています。

――直木賞というと、一定キャリアがあり、人気の作家であるというところも……

そうですか? 

――はい。そういう傾向だそうです。

僕も小説を書いている側ですし、読むのも好きです。(直木賞に)ずっとノミネートされている作家さんもいますし、「この方が獲られないんだ」といつも思うので、その方たちに並んだとは思っていませんが……。うーん、そうですね。ある程度の部分は認めていただいたのかなとは思っています。

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「ずっと賞を獲りたいと思っていた」ワケ