その他にも、下記の3点に注目してみると教室選びをしやすくなります。

(1)上級者向けのコースが設定されているかどうか

 タイピングができなくても問題ないビジュアルプログラミングでゲームやロボット作りを楽しむことに満足する子もいるが、夢中になればなるほど次第に文字入力が必要なテキストプログラミングで、もっと本格的に挑戦したくなる子もいる。そのときに上級者向けのコースがあるところなら、教室を探し直す手間が省ける。

(2)自由製作ができるのか、テキストに沿って作るのか

 教室には、テキストを使いながらみんなで同じ課題に取り組み、決められたカリキュラムでステップアップしていくところと、最初から子どもが作りたいものを作らせる自由製作を個別にサポートするところとがある。ただし、自由製作の教室でも、子どもが「何を作ったらいいかわからない」ということがあれば、講師が「これをやってみる?」と適切な課題を与えてくれるので心配はないだろう。

(3)回数型のコースなのか、個人に合わせたプログラムなのか

 例えば「スクラッチ24回コース」のように回数が決められているコースであれば、ゴールが見えやすい。親子ともに達成感を得やすく、終わった時点で「次はどうするか」とリセットできる。とりあえずプログラミングを経験させたいときなどに都合がいい。一方で、月謝制で個人に合わせたコースの場合は、子どもが理解、納得しながら着実に進められるというメリットがある。

 子どもが楽しく通っていれば、プログラミング技術以外にも、目には見えない論理的思考力や、失敗を恐れずに試行錯誤する力なども確実に身についているはずです。

「最近のプログラミング教室は、そのような力を伸ばせるように指導の方法を工夫しています。また、成果物(ゲームやロボット)を発表させて、プレゼンテーション能力を伸ばすことを重視しているところも増えています」と神谷さん。

 だからこそ「プログラミングは将来子どもに絶対必要な力になるから」と強い意志で通わせるか、もしくは「まずは回数の決まったコースで体験させてから考える」とするのか。「親が教室に何を求めるのかをクリアにすることがとても大切です」

「AERA with Kids 冬号」では実際にプログラミング教室に通う生徒親子に取材した記事も掲載しています。(取材・文/船木麻里)

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2019年 冬号 [雑誌]

星渉,tomekko,高濱正伸,安浪京子

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2019年 冬号 [雑誌]
著者 開く閉じる
船木麻里
船木麻里

1 2