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マイノリティーの心描く映画「ハイヒール革命!」

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田沢竜次AERA
「ハイヒール革命!」監督:古波津陽 出演:真境名ナツキ、濱田龍臣ほか。大阪・シネ・リーブル梅田、愛知・ミッドランドスクエアシネマほかで公開中 (c)2016「ハイヒール革命!」製作委員会

「ハイヒール革命!」監督:古波津陽 出演:真境名ナツキ、濱田龍臣ほか。大阪・シネ・リーブル梅田、愛知・ミッドランドスクエアシネマほかで公開中 (c)2016「ハイヒール革命!」製作委員会

 10代の終わりに男性から女性に生まれ変わった主人公の世界を、ドキュメンタリーとドラマで描く映画が話題だ。

「私、生まれてから一度も自分のことを男子だと思ったことはありません」

「女子として学校へ行きたい。これって間違っていますか?」

 中学生の薫は、ある日を境にスカートをはいて登校する。

 映画「ハイヒール革命!」(古波津陽監督)は、思春期に「性の壁」を乗り越えて女性に生まれ変わった真境名(まじきな)ナツキ(本名・真境名薫)が自ら選び取った人生を追ったドキュメンタリー&ドラマだ。

 映画では、ドキュメント部分を現在のナツキ(29)へのインタビューや日常生活のスケッチなどで構成。並行して中学・高校時代のナツキ(薫)を俳優・濱田龍臣が自然体で演じるドラマ部分が入る。

●飄々と受け入れる母

 セクシュアルマイノリティーの苦悩や差別を正面から訴えた社会的メッセージの映画だと思ったら良い意味で裏切られるだろう。これは、自分に正直に生きることと、人と人との関係のあり方にアプローチしたヒューマンドキュメントであり、また何よりもハートウォーミングな青春ドラマなのだ。

 薫は小学校入学に際して「あの真っ黒なランドセルを見てゾッとした」と言う。なぜ男子は黒や紺で女子は赤やピンクなのか。「男らしさ」のプレッシャーに耐えられない薫は、中学生になって女子の制服で通うことを決断するが、担任をはじめ教師たちは困惑し理不尽な対応に終始。そんな状況下で味方になったのは母親と校長だった。

 母親は、薫が後に性別適合手術を決断するときも、飄々として「そーよねえ……薫は女の子だもんねえ」と割り切る。教師たちが「生徒指導」の基準であたふたするなかで、校長は薫の訴えに真摯に学ぼうとする。

 やがて薫は中学を卒業し、定時制高校に通うことになる。最初の面接で薫が「女子として登校したい……」とおずおずと切り出すと、女性教諭は全く問題なしと「だって、真境名さん、どうみても女子だもんね」と返す。

 さらに女子のクラスメートにバレーボール部に誘われ、薫が「男子が女子バレーやってもいいの?」と問うと「大丈夫、あんたは女子だから」と仲間に入れてもらうのだ。

●元の性と今の性が交差

 今のナツキに語ってもらおう。


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