優れたクッション性と独自のロッカー構造で、「楽しく走る!」を実現、ランナーから熱い支持を受けているランニングシューズHOKA(ホカ)。なかでも、ビギナーからエントリーランナーまで幅広い層に愛されているのがCLIFTON(クリフトン)シリーズだ。
そして2月、HOKAの代名詞といっていいこのシリーズに待望の新作CLIFTON 9が登場した。完成度の高さで多くのファンを持つ前作CLIFTON 8から、いったいどのような進化を遂げたのか。HOKAのアンバサダー・福士加代子さんが、CLIFTON 9の履き心地とともに、シューズ選びのポイントや今後の活動について語ってくれた。
――CLIFTON 9を履いた印象は?
福士:実は前作のCLIFTON 8がすごく気に入っていたので、「もうこれ以上進化しなくてもいいんじゃない?」って思ってたんですよ。新作が出ると聞いたときは、CLIFTON 8を買いだめしておかないと!と思ったくらい(笑)。
ところが、CLIFTON 9を履いてみてびっくり。足を入れた瞬間からフィット感がすごい。私はファーストタッチでシューズを決めることが多いんですけど、包まれているような安定感があって、とにかく気持ちいいんです。「あれ? いいじゃん。ちょっと走ってみちゃう?」っていう気持ちになる。靴底が3mm厚くなったにもかかわらず軽くなったと聞いて、これにもびっくりしました。買いだめはまったく必要ありませんでしたね(笑)。
――実際に走ってみてどうでしたか?
福士:びっくりするくらい走れます!
最初、厚さを増した靴底に抵抗があったんですが、CLIFTON 9を履くと、逆に8が物足りなく感じるくらい(笑)。アキレス腱のところが押されて、ハネる感じがちょうどいい。
疲れてくると、膝が曲がって腰の位置が下がってくるでしょう? でも、足がヘタってきたなと思っても、シューズが助けてくれる印象があって、高い位置のまま走っていける。シューズに任せていればもうひと踏ん張りさせてくれる感じがしました。
ジョギングでも、普通に歩くときでも、なんなら立っているだけのときでもいいんじゃないかな。走りたくなったら走れるし、一石二鳥! カラーバリエーションも豊富なので、自分の好きな色を選んで履けば気持ちも上がると思いますよ。
――競技人生を振り返ってみて、シューズの思い出があれば教えてください。
福士:基本的にいつもシューズに助けられてきました。シューズで失敗した思い出はないですね。ただ、世界陸連の規制が変わって、自分の足型に合わせて作ってもらう特注品がレースで履けなくなったときはちょっと苦労しました。
この時期、多くのランナーがカーボンプレート入りの厚底シューズを履くようになっていたんですが、その流れについていけなかったんです。自分の体には昭和感が残っていたんでしょうね(笑)。そのとき出合ったのがHOKAのシューズ。これなら履ける、よかった!って思いました。
引退レースとなった大阪ハーフマラソン(2022年1月)ではHOKAのROCKET X(ロケット エックス)を履いたのですが、最後はあのシューズが前に進ませてくれた印象があります。「イケイケー!」って(笑)。
――ランニングを始めよう、レースに出ようという人たちに向けてシューズ選びのポイントを教えてください。
福士:まずは、どんな調子であれ楽に動ける基本のシューズを一つ持っておくといいと思います。レースを目指すなら、レース用とトレーニング用の2足買いがおすすめ。
HOKAでいえば、20キロくらい走るときには普段履きのできるCLIFTONを履き、5分くらいのインターバルトレーニングにはカーボンプレート入りのROCKET Xを履く。筋力を必要とするカーボンプレート入りシューズで最初から走り込むのは難しいので、いずれにせよ、まずはCLIFTONなど基本のシューズで走り込むのがいいと思いますね。私は、調子が上がらないときには基本のシューズでフォームを整えていました。
――シューズとの付き合い方でアドバイスがあればぜひ。
福士:シューズの性能がどんどん良くなっているので、利用しない手はありません。厚底シューズがはやり出したころ、地面を捉える感触のある薄底のシューズが好きだった私は、「走らされている」感覚の強い厚底シューズが苦手だったんです。シューズに自分を合わせていくことに対して「なんで私が合わせなくちゃいけないんだ!」って思っていた(笑)。
でもあっさり考えを変えました。だって、今まで自分たちがやってきたことを、シューズがやってくれているわけですから。無理に自分を出さず、シューズに身を任せていれば、シューズが前に連れていってくれます。最初から自分を出そうとすると余計な力を使うことになる。シューズに委ねていれば、そのうちに自分の走り方が見つかると思います。逆にいえばシューズの進化に合わせて、ランナーもそれなりに進化していかないといけないということ。
昔は根性でがんばる部分が大きかったけれど、今は根性より技術が求められる時代。職人のように一つひとつコツをつかんでいく。これが今ならではの楽しさなんじゃないかと思いますね。
――「楽しく走る」ことを伝え続けている福士さん。これから具体的にどのようにランニングと関わっていくのでしょう。
福士:まずは、所属しているワコール女子陸上競技部のアドバイザーとして、今後も部員の指導を続けていきます。指導は簡単ではないので、ずっと模索しながらやっていくことになるでしょうね。あとは、全国のランニングイベントにゲストランナーとして参加しつつ、自分でもイベントを主催していきたいと思っています。
今年4月には、第1弾として私の第3の故郷ともいえる香川県で「笑って走れば福来たる駅伝in香川」を開催します。みんな「がんばる」ことはできる。だからこそ「走る」=「ツライ」というイメージになりやすい。私は、その「がんばる」の一歩手前の「楽しい走り」を伝えていきたいんですよね。
将来の私の理想は、「足の速いおばあちゃん」(笑)。「ちょっとそこのコンビニまで行ってくるわ」って出ていってあっという間に帰ってきたら面白くないですか? 横断歩道をすごいスピードで渡って「スッゲーハエー!」って言われたら楽しいし達成感も味わえる(笑)。走ることはこれからもずっと続けていきたいと思います。
提供:デッカーズジャパン合同会社