中学受験において、志望校選びはいろいろな情報があり、迷うのも確か。そんな時に頼りになるのが客観的なデータで、中でも特に重視したいのが大学合格実績です。ここでは、合格実績などを指標に、首都圏の中高一貫校のさまざまなランキングを紹介します。第2回目は医学部のランキングです。

※ 表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2022年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数点2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信
※ 表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2022年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数点2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信

 表2は防衛医科大学校を含む全国公立大医学部と全私立大医学部の合格率ランキングだ。人気は高いが志願者は減少傾向にある。難化が進み過ぎたことが理由とみられる。

 特に医学部人気が高いのは私立校だ。表を見ても公立校は1校も出てこない。私立中高の保護者に医師が多いことも関係しているようだ。 

 合格率トップは前年2位の暁星で74・5%、2位は桜蔭の72・2%、3位が豊島岡女子学園、4位が雙葉、5位が巣鴨だった。トップ10に女子校が4校入り、リケジョが増えていることに加え、手に職をつけたいとの考えも強く、医学部人気は高い。

 合格者数トップは豊島岡女子学園の213人で、2位は桜蔭の164人、3位は巣鴨の141人。国公立大に限ってみれば、開成が64人でトップ、2位は桜蔭、3位は豊島岡女子学園。私立大のトップは豊島岡女子学園、2位が巣鴨、3位が桜蔭だ。 

 学校別に合格者の国公立大と私立大の内訳を見てみよう。トップの暁星は国公立大16人に対して私立大は101人、2位の桜蔭は国公立大60人に対して私立大104人、3位の豊島岡女子学園も国公立大49人に対して私立大164人だ。トップ30校のうち27校で私立大合格者のほうが多かった。その理由は医学部の偏在にある。東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)には国公立大の医学部は4校で、防衛医科大を加えても5校しかない。一方、私立大は16校あり、全私立大医学部31校の半数以上に上る。首都圏で私立大医学部を目指す受験生が多いのも当然かもしれない。

(文/大学通信・大野香代子)

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大野香代子
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