「両親のだらしなさを2歳の娘が受け継がないか」と心配するワーママに伝えたい「論語」の格言 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「両親のだらしなさを2歳の娘が受け継がないか」と心配するワーママに伝えたい「論語」の格言

連載「子育ての悩みを「論語」で解決!」

山口謠司dot.
山口謠司先生

山口謠司先生

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

【解説】
 お答えします。相談者さんが「叱咤激励」を望まれているようなので、今日は人生の先輩として私のこんな言葉から始めますね。

「人生の本質は何か?」ということをいま一度考え直せ!!

「靴をしまわない、遅寝・遅起き、電気をつけっぱなしにする」なんてことは、生きる本質とは全く関係ないことです。子どもは必要があれば、整理整頓も自発的にできるようになります。遅寝・遅起きもそれができるうちが一番。就学などで早寝・早起きしなければならない環境になれば、生活習慣も変わるでしょう。電気のつけっぱなしも、それが家計を脅かすまでに電気代がかかるようになれば、節約することになります。

 それに、家にいる時くらい、だらしなくしていてもいいではないですか。

「論語」の「郷党第十」には、孔子が公的・私的な生活において、どんな行動をとっていたかについて記録されているので、ここに紹介しましょう。

「孔子、郷党に於いては恂恂如たり。言う能わざる者に似たり。其の宗廟・朝廷に在るや、便便として言い、唯えに謹しめり」

 孔子は当時、すでに偉人と認められていましたが、自分に近い親兄弟や弟子と一緒にいる時は、ゆったりと心穏やかにしていました。その様はまるで、大切なことを人に教えることなどできない、弁舌がまわらないような人にさえ見えたといいます。ところが、先祖を祭る霊屋(たまや)の祭祀で君主を補佐する時や、朝廷で政治を論じる時は、驚くほどてきぱきと物を言い、かつ謹厳であり、慎重であったのです。

 出るところに出たら、しっかり他の人以上の仕事をする。その代わり、家ではゆったりする。ルールを決めて、「いったん外に出たらシャキッといくぞ」ということをしっかり身につけていればいいのです。

 孔子が、場に応じて態度を変えていたという話は、ほかにもたくさん「論語」の中に書かれています。相談者さんがお嬢様に教えるべきことは、きちょうめんにふるまうべき場面、だらしなくしていていい場面と、「公私の場における分別を感じる力」ではないでしょうか。


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