AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2020』(朝日新聞出版)では、全国の私立小学校に独自アンケートを実施。入試や学費、併設中学校への内部進学状況などについて調査した。その結果から見えてくるものは――。本誌から抜粋して紹介します。

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●大学併設の小学校が増加

 少子化により公立小学校では統廃合が進むが、私立小学校でも募集停止や、入学定員を減らす学校が出てきた。一方、19年度には新たに東京農業大学稲花小学校などが開校。次年度、次々年度の開校に向けて準備を進めているところもある。

 編集部は2019年5月、全国の私立小学校にアンケートを実施し、200校から回答を得た。

 200校のうち、2000年以降に開校したのは57校で全体の3割近い。そのうち付属・系列・グループ校に大学を併設する学校は29校で、半数を超えた。

 2020年度の大学入試改革を受け、中学受験では、確実に併設大学へ進学できる付属校の人気が高まっている。ならば、小学校からエスカレーター式の付属校に進むという選択肢もあるだろう。

 中学校を併設していて、アンケートに回答があった159校について、中学への内部進学率を見てみた。90%以上が内部進学する学校が38校ある半面、50%を切る学校は51校もある。内部進学者は意外と少ない印象だ。併設中学校があっても外部中学校への進学が前提の小学校があるほか、高校までは内部進学でも、大学受験を機に外部へ進学する生徒が多い学校
もある。小学校を選ぶ際には、中学への内部進学の状況と併せて、付属大学への進学状況も確認したほうがいいだろう。

●初年度納付金の平均は86・3万円

 私立小の気になる「学費」をグラフにまとめた(図)。「初年度納付金」とは、1年次に支払う入学金、授業料、施設設備費、教材費の合計で、平均は86万3199円だった。東京都にある学校の平均は102. 3万円で、都心部の学校や、通常教科の授業も英語で行うイマージョン教育校、インターナショナル校は高い傾向にある。一方、50万円を下回る学校も1割強ある。

 学校の立地や教育環境により、私立中学・高校・大学よりも学費の差が大きいのも私立小の特徴だろう。2年次以降の納付金は初年度納付金から入学金を除いた金額が目安となるが、6年間を通して実際に必要となる費用はこれだけではない。寄付金、給食費、制服代、交通費、父母会費、課外活動費や修学旅行、海外短期留学のための積立金も必要になる。学校案内のパンフレットや募集要項ではこれらを除いた「学費」のみが紹介されていることも多いので、学校説明会などで確認してほしい。

(文/アエラムック編集部)

【AERA English 特別号】英語に強くなる小学校選び 2020 (AERAムック)

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