<対策2 宿題の量を確認>


 宿題が多いことくらいは知っていても、「入ってしまえば何とかこなせる」と考えていませんか? これも入塾前の誤解の一つです。塾の宿題は想像以上に速さと量に追われることが多く、塾に通っていればできるようになるというものではありません。それを「何とかなる」と思っていると、「なんで宿題が終わらないの」「こんなのもわからないの?」と叱ってしまい、宿題をやらせるはずがケンカばかりになってしまいがち。

「入塾前か、もしくは入ってからでもいいのですが、どのように宿題に取り組ませるとうまく進んでいくのか、素朴な質問を塾の先生に投げかけてみてください。例えば『宿題の量は個別に相談できますか?』『マイペースな子には、どんな声掛けがいいですか?』など、わが子の実情をにあわせて聞くといいですね。親身に聞いてアドバイスをくれる先生かどうか、信頼できるかどうかなど先生の様子を知るきっかけにもなります」(小川先生)

<対策3 先生に相談しやすい環境づくり>
 さて、そもそも塾は入塾から合格までの間は、なんでも面倒を見てくれるのでしょうか。実はここがいちばん勘違いしやすい部分です。

 塾は問題の解き方は教えてくれても、家庭での勉強のやり方ややる気を出す声掛けの方法など、細かいことを教えてくれるわけではありません。また塾にノウハウがあったとしても、質問をしない限り教えてくれることはないと思っていいでしょう。

 そのため、「塾の先生になにか聞きたいことがあるときに、すぐに質問できるような関係づくりをしておくことが『塾活』のいちばん大事なポイントです」と小川先生は言います。

「宿題の丸付けやスケジュール管理といった親のサポートから、子どもに合わせた学習の取り組ませ方、かかわり方など気になることをすぐに聞いて、早めに対策を立てるよう心掛けるといいですね。そういう意味で『塾活』とは結局、わが子のいちばん近くにいる親が、塾と連絡を取り合って子どもに合った方法を見つけて下支えをする、という作業の繰り返しなのかもしれません」(小川先生)。

『AERA with Kids 秋号』ではその他に、成功する「塾活」について、先輩ママのリアルな声や塾の比較、つまづいたときの対策などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2017年 10 月号 [雑誌]

安浪京子,高濱正伸,陰山英男,石田淳

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2017年 10 月号 [雑誌]
著者 開く閉じる
AERA dot.編集部
AERA dot.編集部

1 2