「最近は、小学生時代をすごくいい子で育ってくる子どもが多いんです。反抗することもなく、親になんでも従う。でも、このような子は、本当の自分を出せずに、親に合わせているケースも見られます。本当の自分と、親に合わせている自分の2つの側面を持っている。でも、だんだん親に合わせている自分が窮屈になって、中学や高校時代に爆発してしまう。その一例として、不登校になって母親を困らせるような事例は、母親への無意識な抵抗の表れかもしれません」

 親の意図に沿うように行動して、自分の気持ちはしまっておく。子どものころからこんな我慢を重ねていると、子どもは母親に対して「離れたい」「関わるのはこりごりだ」と思うようになります。

「私は、中年期の母娘関係も研究しているのですが、いい年齢の大人になったときに、なんとも気まずく複雑な状態にある母娘も実は多いんです。そうならないためにも、娘が9歳、10歳のころの時期は、将来娘が自立できるように徐々に促す大切な時期であることを、お母さんも自覚したいですね」

 最後に、母親がつい娘にしていまいがちだけど、娘への影響を考えると、タブーな行動を3つ紹介します。あなたは大丈夫ですか?

1.過去を悔やむ
人生のモデルである母親が、自分の選択した道を悔やむ姿を見せることは、娘に不安や迷いを与えることにつながります。過去は過去、今は今とおおらかでありたいものです。

2.愚痴を聞いてもらう
女の子は口が達者なぶん、聞き上手でもあります。だからつい、愚痴を聞いてもらう……。こんなシーンもNGです。父親など家族の愚痴はもってのほか。聞いている娘は決していい思いをしていません。

3.取りつくろう
がんばっているお母さんを演じても、娘にはバレバレ。ときには失敗する姿を見せてもいいのです。取り繕ってばかりいると、お母さん自身もストレスを感じます。自然体でいきましょう。

AERA with Kids(アエラ ウィズ キッズ) 2016年 10 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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